未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

〝苦み〟を制するものが、シャンパーニュを制す🍾

なんといってもシャンパーニュの奥深さは、上質な苦味にあります。それはカヴァやスプマンテとはまったく異なる次元の苦み。〝苦み〟を制するものが、シャンパーニュを制すといっても過言ではないかもしれません。

 

とくにリザーブワインを40%も使用し、NVでも3年熟成という贅沢な《シャルル・エドシック/ブリュット・レゼルヴ》の苦みは強烈です。口に含むたびに、怒濤のように分厚い苦味が押し寄せてきます。冒険家でもあり、起業家でもあるエドシックの男性的で紳士な姿は、厚みや泡立ちの力強さだけでなく、この〝苦み〟からも感じとることができます。

 

その上質な苦みをより〝楽しむ〟ために合わせたのは、『イトヨリ(白身魚)のブールブラン』です。

 

〝ブールブランソース〟とはバターを乳化させた、まろやかなソースのこと。淡泊な白身魚もコクがまし、濃厚な味わいに変化します。シャルル・エドシックの《ブリュット・レゼルヴ》はイトヨリ&バターソースをやさしく包みながら、芳ばしくローストされたピスタチの香りが立ち上がります。余韻にまで残るほどのビターな風味は、まるでエンダイブ(西洋の葉野菜)のサラダを一緒にいただいているかのよう。常にそっとよりそいながら、〝苦み〟というエッセンスで個々の魅力を引き出すのがエドシック流です。

 

男らしさの中に秘めたシャルル・エドシックの包容力に恋した女性はどれほどいたのでしょうか。〝苦み〟を制するものが、恋もシャンパーニュも制するのかもしれませんね☺️🥂

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幻のメルキュレ村の白✨

ブルゴーニュといえば、ジュヴレシャンベルタンやピュリニーモンラッシェなど、コート・ド・ニュイ & コート・ドール地区のワインが有名ですが、その南に続くコート・シャロネーズ地区からも優れたワインが多く産出されています。とくに「メルキュレ村」のワインは高評価で、生産量もこの地区最多を誇ります。

 

1級畑が多く(全体の4分の1)、半数以上が赤ワインのメルキュレ村。なかでも、抜群に高品質なピノ・ノワールは、プルミエクリュの「サズネー」畑です。

 

「サズネー」のクリマは海抜250~300mの南東向き、かつ斜面地にあり、十分な日照量と、粘土・石灰・砂質土壌という、良質のピノ・ノワールが育つ条件がそろっています。通常5~10年が飲み頃といわれるメリュキュレのワインも、この「サズネー」に限っては、より長い熟成に耐えうるポテンシャルです。

 

今回はルイ・ジャドの《メルキュレ プルミエクリュ サズネー 2001》と《メルキュレ ブラン 1998》を抜栓。

 

赤の《2001》はある程度枯れ感のある色合いですが、その濃さやにごり具合から、ほんらいの品質の高さが十二分に伝わります。抜栓直後は、還元香らしきパーマ液の香りを感じ、ほどなく消え去ったかと思うと、熟した果実香にバニラ、カカオ、葉巻、湿った土、そしてアニスのエッセンスが訪れます。なんと魅惑的な香りなのでしょうか。

 

冬は寒く、夏は涼しかった2001年のこのワインは、気候の影響も受けて、醸造当初タンニン(渋み)が強かったのですが、17年という時が経つと、それはそれは優しくやわらかな丸みを見せてくれます。はじめは控えめな印象ですが、あとからフワッと腐葉土とヨーグルト風味のバリウムを足して二で割ったようなまったりとした風味がやってきます。

 

一方、白の《メルキュレ ブラン 1998》は、キラキラまばゆいばかりのゴールドカラー。蜂蜜、バニラ、クロワッサンにヘーゼルナッツ…この甘くて芳ばしいナッティー香は、香りをかいだだけで、このうえなく幸せな気持ちになれます。口に含むと、その幾層にも重なるリッチな果実味は、少しとろみさえ感じます。

 

1998年の収穫時期の10日間はまったく雨は降らず、天候にも恵まれたせいもあって、もともと例年以上の甘味と成熟度を誇ります。20年の時を経た『メルキュレ ブラン』は、熟したパイナップルやマンゴー、 パッションフルーツなどの果実味と溢れんばかりの芳醇さが幾層にも重なり、可憐で素晴らしい熟成感を見せてくれました。

 

 

ルイ・ジャドのメルキュレの旨さは格別です。しかし、惜しむらくは、赤も白も毎年の供給がないことでしょうか。とくにメルキュレの白に限っては、めったに造らないことで有名です。もし20年熟成のヴィンテージに出会えたらぜひご賞味くださいね。きっと、メルキュレの虜になるはずです。

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Club des 50(クラブ デ サンカント)🍷

ワイン界の第一人者といえば、世界のソムリエこと、田崎眞也氏。この《club des 50(クラブ デ サンカント)》というワインは、田崎氏がボルドーの格付けシャトーのファーストラベルとセカンドラベルをブレンドしてつくられるワインです。

〝ファーストラベル〟というは、シャトーの顔というべく、フラッグシップワイン。最上級のぶどうと醸造方法により超極上ワインがつくられます。

一方、〝セカンドラベル〟というのはぶどうの品質もふくめ、ファーストラベルにまで及ばなかったものです。

それを混ぜてしまおうとは...。
なんとも大胆な発想でしょうか。

それだけでなく、このワインは許された特別な50名だけに提供されるもの。転売禁止のため、市場に出回ることはなく、たいへん貴重なワインです。

味わい最大の特徴は、ファーストとセカンドを50%ずつブレンドしているとだけあって、早い時期からいただけるだけでなく、抜栓まもなく、ひいては口に含むとたちまち、格付けシャトーのピークに近い味わいを楽しめる点です。

今回は《クラブ デ 50》の《サン・ジュリアン2009》をいただきました。

ボルドー地方の〝サン・ジュリアン〟は、がっしりとした男性的ワインがうまれる〝ポイヤック〟と、ふくよかで優美な女性的ワインがうまれる〝マルゴー〟に挟まれて位置します。酸や果実味、タンニンのいずれもその双方の中間的なバランスをたもち、力づよくも、柔らかくまるみのあるワインです。

そんなサン・ジュリアンにお肉を合わせるなら、赤身派の私は〝マルシン〟がオススメ。

〝マルシン〟はヘルシーなもも肉の中心部(芯丸)で、シャトーブリアン同様、一頭からわずかしかとれない稀少な部位です。

〝もも肉〟ときくと、純粋な赤身肉を想像しがちですが、この〝マルシン〟は赤身だけでなく、きめ細やかなサシ(霜降り)がうっすら入っているのが特徴です。身質はとても柔らかく、赤身の旨みと脂のコクの絶妙なバランスが、サン・ジュリアンの味わいバランスと近きものを感じます。

《クラブ デ 50》の〝速攻性〟に合わせ、マルシンを〝しっかりめ〟に焼くことで、赤身と脂の旨みがひとつとなり、マルシンも口に入れた瞬間にその最高潮を味わえます。

しっかり焼けた脂と備長炭の芳ばしさが食欲をそそり、《クラブ デ 50/サン・ジュリアン 2009》のカシスソースを煮詰めた濃厚な香り、黒こしょう&丁子のスパイシー香ともとてもよく合います。

旨み・コクが一体となったマルシンと、シャープなタンニンとまろやかな果実味が開いた《クラブ デ 50》は、まるで〝極うまループ〟を描くかのように、互いが互いを高めあいながら、私の舌を魅了するのでした。

それにしても、世界にはほんとうにさまざまなワインが存在します。ゲーテが残した「つまらないワインを飲むには、人生はあまりにも短すぎる」という言葉を考えさせられる今日このごろです。

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ミネラル〝チョーク〟シャンパーニュ🍾

黒板に文字を書くための筆記具〝チョーク〟。その名の由来ともなっている〝チョーク層〟は、石灰岩でできた地層です。

 

チョーク層の土壌は、ぶどうに豊富なミネラルを与え、ワインに繊細さやフィネスをもたらす、たいへん貴重なテロワール要素なのです。

 

ジャマール畑はこのチョーク層からなるのですが、他の地域にくらべ、固く圧縮された地層が地下数十メートルにもわたって続く良質の土壌。そこに樹齢80年もの古樹が、地中奥深くまで根をはりめぐらせているのです。

 

なかでも私のお気に入り《ジャマール/カルト ブランシュ ブリュット》は、  濃厚かつ澄みきったミネラルの旨みに加え、ピノ・ムニエ特有の苦みと古樹ならではの力強いコクで、他にはない極上の味わいをかもします。

 

この《ジャマール/カルト ブランシュ ブリュット》と合わせたいのが〝フォアグラのフラン〟です。甘口(貴腐)ワインと合わせることが定番のフォアグラですが、《ジャマール》の苦みとミネラルの魔法にかかると、驚くほどに美味しさが増すからです。

 

フォアグラの苦みと、ピノ・ムニエの苦みが共鳴しあいながら、口のなかでとろけてゆく...マデラソースとトリュフは深みと華やかさを演出してくれます。フランス高級塩〝フルール・ド・セル〟をひとふりしたかのように、ジャマール特有のミネラル感あふれる旨味が、フォアグラの臭みと脂っぽさを消し去り、〝苦み〟を〝甘み〟に変えながら、味の輪郭をよりくっきりと浮かび上がらせてくれます。

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〝NV〟熟成シャンパーニュ🍾

かの有名な〝ドンペリ〟こと「ドン・ペリニヨン」は、長期熟成後に味わいのピークを迎えたオールド・ヴィンテージを〝P2(約16年熟成)〟〝P3(25年以上の熟成)〟という名でリリースしています。

 

ドンペリ〟にかかわらず、ぶどうの秀作年だけに、その年のぶどうだけを使ってつくられたヴィンテージ・シャンパーニュは長期熟成させるのが一般的です。

 

一方、ノンヴィンテージ(NV)のシャンパーニュは複数年のワインが混ぜられており、早飲みタイプとしてリリースされます。

 

しかし、たとえ〝NVシャンパーニュ〟であっても、とくに「グランクリュ(特級)」シャンパーニュの場合、長期熟成に十分耐えうるものも少なからず存在します。

 

リリースされてから15年以上もの長い年月を経た《ジョルジュ・ヴェッセル/ブリュット グランクリュNV》もそのひとつです。

 

しっかりと色づいた黄金色と、口の中でしずかに消えゆく繊細な泡。食パンを想わせるやさしい酵母香に、少しエッジのきいたシェリーのフロール香が香ります。

 

合わせる料理は、すこし甘めのコクがあるお肉がオススメ。熟成シャンパーニュ特有の、梅酒の古酒のようなまろやかな果実味&おだやかな酸は、ほのかな甘みを伴うお肉の旨味と、相性抜群だからです。

 

大阪は〝なにわ黒牛〟のハニーマスタードソース。赤身にもかかわらず、とろけるような肉汁がたいへん美味ですが、《ジュルジュ・ヴェッセル》のまろやかな果実味と、ソースにふくまれる蜂蜜のほのかな甘みで、お肉はさらに深みと奥ゆきをまします。梅酒の古酒のような、まるみを帯びた酸味と、少しテイストの異なるマスタードの酸味が、より複雑で優美なハーモニーを奏でてくれるのです。なにわ黒牛と《ジュルジュ・ヴェッセル》の見事なまでの融合に、ココロが奪われ、すっかり酔いしれてしまう私でした...。

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パイに合う、魅惑のシャンパーニュ🥂🥧

日本で〝パイ〟というと、アップルパイや洋梨のタルトなどの甘いお菓子が一般的です。

 

もちろんフランスでも、このようなお菓子はありますが、一方で「〇〇のパイ包み焼き」や「キッシュ・ロレーヌ」といった、甘くない生地をお料理に使うことも仏食文化のひとつといえます。

 

日本のスーパーで目にするのは、もっぱらお菓子用の冷凍パイシートですが、フランスではお菓子用と(甘くない)料理用の両方が売られています。家庭料理としても浸透していることがうかがえますね。

 

私は、《シャルル・ミニョン》のシャンパーニュをいただくたびに、いつもパイを欲してしまいます。

 

それは、上質なシャンパーニュにはよくあるバターと芳ばしいロースト香に加えて、心が奪われるような美しいイエローカラーの《ブリュット グラン トラディシヨン》には、焙煎された小麦胚芽のニュアスンを、香りと味わい、双方から感じるからです。

 

事前にシェフにお願いして、今回ご用意くださったお料理は『河内鴨のパテ・アン・クルート』と『チーズ(マリボー&グラナパダーノ)のキッシュ』。

 

パテ・アン・クルートは冷製で、生地はしっとり、もっちりとした質感です。小麦&バターの濃厚な風味が、シャンパーニュ発酵バターの香りでよりリッチな味わいに。河内鴨というのは野生ではないのでが、しっかりと味ののったブランド鶏で、上質の小麦のうまみを感じるパイ&《シャルル・ミニョン》に包まれることにより、気品あふれるお料理へと格段アップしました。

 

キッシュは温製でさくさくの生地。シャンパーニュの芳ばしさととてもよく合います。マリボーもグラナパダーノも、やさしい味のチーズなのですが、《シャルル・ミニョン》の焙煎味とほどよい渋みが混ざることで、コクと複雑みが増し、リッチなパイ生地と、さらなる一体感がうまれました。

 

このシャンパーニュの現行品は 「ブリュット プレミアム レゼルヴ」なのですが、セパージュが異なるため、稀少な《ブリュット グラン トラディシヨン》を見かけた際は、ぜひ、おいしいパイとともにご賞味くださいね😉❗️

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熟成リュリーの赤の旨さ🍷

ブルゴーニュ地方、コート・ド・ボーヌの南、コート・シャロネーズ地区。そのなかで、ブーズロンについで北端に位置する村が〝リュリー〟です。

 

リュリー村で生産される半数以上は白ワイン。また発泡性のクレマン ド ブルゴーニュの発祥地でもあり、ほどよいタンニン&果実味ゆたかでフルーティーな〝リュリーの赤〟は、残念ながら、あまりメジャーではありません。

 

ただ、私が思うに、リュリーの赤ワインは熟成してこそ本来のおいしさを楽しめるもの。この醍醐味を知って、リュリーの赤に魅了される人は、世界中に少なくないはずです。

 

熟成したリュリーの赤には、甘草などの甘いスパイスと、上品に薫るほのかな獣香があります。また、フルーティーだった果実味が、発酵食品のような〝まったり〟としたコクと旨味に変化し、それが上質の鹿肉ととても相性がいいのです。

 

そこで、今回は《ルイジャド/リュリー ルージュ1998》と『和歌山県産の鹿ヒレ肉~グリーンペッパーのソース~』のマリアージュ

 

熟練職人により下処理された鹿肉は、ジビエといえども臭みはゼロ。敏腕シェフの神業的な火入れで、絶妙な柔らかさと、クリアで純粋な肉の旨みを堪能できます。ソースのグリーンペッパーと、熟成リュリーのスパイスがさらにそれを際立たせ、〝湿り〟と〝乾き〟を連想させる(たとえるなら...乾燥と生の、ポルチーニ/ジロール/モリーユ茸が混ざっり合ったような)深みあるコクと旨みが加わると、お料理全体も滋味に富んだ味わいへと変化するのです。

 

この、心に染みいるような〝滋味深さ〟こそ、熟成リュリーの赤の旨さだと私は思っています。

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