英国王室御用達のシャンパーニュは、現在9つのメゾンが存在します。そのなかで最初にビクトリア女王に認められ、今日まで、ゆるぎない地位を守り続けているグランメゾンが《ボランジェ》です。
そのボランジェが、優良年だけにつくるプレステージ・キュヴェこそ《グランダネ》。そのポテンシャルははかりしれず、果たして飲み頃はいつなのか、興味深いところです。
結論から申し上げると、ズバリ“四半世紀”の時を経た「グランダネ1992」が飲み頃です。この年は、ボランジェ一族が長年守り続けてきたポリシーを、『ボランジェ憲章』という名で世に公表した年でもあり、記念すべきヴィンテージといえます。
黄金に光かがやき、泡は目視することはできませんが、舌の上ではかすかに弾ける感覚があります。ラムレーズンやスコッチ、シェリーのペドロ・ヒメネスのような、濃密な甘さと上質の酸味を想像させる芳香。味わいにおいても、長期熟成ならではの複雑で優艶な酸がとても印象的です。
一方「グランダネ2007」は、ぶどうの収穫から11年が経過しているとはいえ、まだまだフレッシュ感があり、エネルギッシュな酸が特徴です。
酸は酸でも、パワフルかつ男性的な「2007」と上品かつ女性的な「1992」。似ても似つかぬものと思いきや、交互に比較しながら味わってみると、両者には凛とした繊細さという共通点を感じるのです。これこそ、プレステージ・キュヴェ「グランダネ」のポテンシャルであり、奥深さですね。
それにしてもプレステージ・キュヴェの熟成感にはまるとやみつきになります。「グランダネ1992」のおいしさのピークはまさに今。“26年熟成”が絶対オススメです😊❗️