未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

グランダネの飲み頃はいつ?

英国王室御用達のシャンパーニュは、現在9つのメゾンが存在します。そのなかで最初にビクトリア女王に認められ、今日まで、ゆるぎない地位を守り続けているグランメゾンが《ボランジェ》です。

 

そのボランジェが、優良年だけにつくるプレステージ・キュヴェこそ《グランダネ》。そのポテンシャルははかりしれず、果たして飲み頃はいつなのか、興味深いところです。

 

結論から申し上げると、ズバリ“四半世紀”の時を経た「グランダネ1992」が飲み頃です。この年は、ボランジェ一族が長年守り続けてきたポリシーを、『ボランジェ憲章』という名で世に公表した年でもあり、記念すべきヴィンテージといえます。

 

黄金に光かがやき、泡は目視することはできませんが、舌の上ではかすかに弾ける感覚があります。ラムレーズンやスコッチ、シェリーのペドロ・ヒメネスのような、濃密な甘さと上質の酸味を想像させる芳香。味わいにおいても、長期熟成ならではの複雑で優艶な酸がとても印象的です。

 

一方「グランダネ2007」は、ぶどうの収穫から11年が経過しているとはいえ、まだまだフレッシュ感があり、エネルギッシュな酸が特徴です。

 

酸は酸でも、パワフルかつ男性的な「2007」と上品かつ女性的な「1992」。似ても似つかぬものと思いきや、交互に比較しながら味わってみると、両者には凛とした繊細さという共通点を感じるのです。これこそ、プレステージ・キュヴェ「グランダネ」のポテンシャルであり、奥深さですね。

 

それにしてもプレステージ・キュヴェの熟成感にはまるとやみつきになります。「グランダネ1992」のおいしさのピークはまさに今。“26年熟成”が絶対オススメです😊❗️f:id:hrm628:20181105121151j:image

あさりの白ワイン蒸しには〝香草感🌿〟

あさりの白ワイン蒸し、お酒に合いますよね😊

 

ムール貝には「ボーロワ・シャブリ」。あさりには「レフルノー・シャブリ」が私の持論です。

 

シャブリ地区のレイ村に位置する〝レ・フルノー〟は南西向きの小さなクリマですが、とても個性的なワインを生み出します。なかでも、あさりの白ワイン蒸しには、サミュエル・ビローという造り手の《シャブリ1erクリュ レフルノー 2015》がオススメです。

 

《レ フルノー 2015》の特徴は、なんといっても〝香草感〟です。グレープフルーツの外皮、セロリの葉をベースに、ミントやバジル、大葉などのハーブが何層にも重なり合って、刈取ったばかりのまだ青々とした干し草や薬草のような厚みある複雑味が楽しめます。

 

隠し味として、あさりの白ワイン蒸しには、普通のバターではなく香草バターを入れるのが私流。バターと《レ フルノー 2015》の2つの〝香草感〟が合わさると、旨味の相乗効果であさりの白ワイン蒸しがより深みあるおいしさへと昇華してくれることが、なによりうれしい点です。

 

あさりの白ワイン蒸しには〝香草感〟。頭の片隅にとめておいてくださいね😉✨

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色がもつ不思議な力🍾✨

ランソンは、1760年創業の老舗シャンパーニュ・メゾン。スタンダードキュヴェとして、「ブラックラベル」が有名です。そのエチケットの特徴は、ホワイト、レッド、ゴールド、ブラックの4色が用いられ、美しくデザインされていることです。

 

5,000以上あるシャンパーニュのなかでも、この〝4色使い〟は、私の知る限りランソンだけ。唯一無二の独創的なエチケットといえますね。

 

思わず触れたくなるマットな質感のブラック地に、ゴールド色の縁取り。その中に上品かつ堂々とつづられたホワイトの〝Lanson〟の文字は、ワンポイントとして光るレッドの十字架とともに 、250年以上の歴史の重みを感じさせます。

 

その《ランソン・ブラック》は「ノン・マロラクティック発酵」を貫くシャンパーニュ。硬派なイメージは、まさにエチケットから受ける印象と同じです。

 

そんな《ランソン・ブラック》には、合わせる料理やお皿も、遊び心をもって〝ブラック〟に合わせてみてはいかがでしょうか。今回は、新進気鋭のシェフに「キンキのファルシ 〜ホタテのムース、イカ墨ソース〜」をリクエスト。まるで、イカ墨ソースとエチケットのブラックが〝呼応〟しているかのようでした。

 

お皿も〝ブラック〟にすると、より食材の〝色〟が引き立ち、食欲をそそられるから不思議です。色彩心理を学ぶと、ワインのある生活がより豊かなものになりそうですね😉f:id:hrm628:20181025131050j:image  f:id:hrm628:20181025131055j:image

鴨肉にはノン・マロラクティック発酵シャンパーニュ🦆🥂

カモ汁など、鴨肉にはネギを合わせてきたのが日本の食文化。

一方オレンジなど、フルーツを合わせてきたのがフレンチの歴史。

ネギもオレンジも鴨との相性は抜群ですが、私は〝鴨りんご〟派です。

 

そこで、鴨肉にはノン・マロラクティック発酵シャンパーニュがオススメです。マロラクティック発酵とは、乳酸菌がりんご酸を食べることで、よりまろやかな味わいに変化させることです。ルネ・ジョフロワという造り手は、あえてこのマロラクティック発酵を行わないことをポリシーとしているため、ストレートにりんごの酸味を感じるシャンパーニュが生み出されるのです。

 

ただし、〝酸度が高い〟だけでは「鴨の胸肉のポアレ」の濃厚な旨みに負けてしまうため、合わせるシャンパーニュは厚みある果実の凝縮感も求められるのです。

 

それを一刀両断に解決できるのが《ルネ・ジョフロワ/プルミエクリュ・キュミエール・エクスプレシオン・ブリュット》です。凝縮感あふれる仕上がりになっているのは、シャンパーニ地方でもっとも日照量が多いとされる〝キュミエール村〟の黒ブドウを90%も用いているからです。

 

「鴨の胸肉のポアレ」にはルネ・ジョフロワのノン・マロラクティック発酵シャンパーニュ

 

りんごの芳醇な香りが漂いながら、太陽の恵みをたっぷりと受けた豊かな果実味と凝縮感が、鴨肉のジューシーな旨味をしっかり包み込んでくれるような、なんともいえない心地よさが訪れます☺️✨

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🥐クロワッサンクッキー!?🍪

見た目はワッフルクッキーなのに、

商品名は〝クロワッサンクッキー〟?!

 

「なぜ?」という素朴な疑問にぶつかりました。

ネーミングに、違和感を感じたからです。

 

不思議に思って、店員さんに聞いてみると…

「クロワッサンの生地をクッキー風に焼き上げたから」だそうです。

 

薄力粉や強力粉、イースト、バターを含んだあのパン生地のことですね。

 

なるほど…。

 

〝クロワッサン〟という単語を聞くと、外はカリカリ、中はふわっと焼き上げた三日月形のパンそのものを思い浮かべてしまいます。

 

固定概念にとらわれている自分が、なんだか、恥ずかしくなりました💦

もっと頭をやわらかくしなくては!

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厚切りシャトーブリアンのおいしい食べ方🥩🍴

一頭の牛からわずか3%ほどしか摂れない稀少部位がヒレ肉。そのヒレ肉の中央部にある、もっとも肉質のよい超稀少部位が「シャトーブリアン」です。赤身で、脂肪がきわめて少ないにもかかわらず、したたる肉汁とそのやわらかさは、極上肉のなかでも別格の美味しさ!

 

今日は、この最上級部位をさらにおいしくいただく秘けつ〝3ヶ条〟を伝授します。

 

まず第一は、七輪で焼くべしです。鉄板より炭焼きの方が断然おいしいと私は思います。余分な脂が落ちてステーキが油っぽくなりにくく、肉から出る脂だけで十分おいしく焼くことができるからです。

 

第二に、炭は紀州備長炭を使うべしです。いうまでもなく紀州備長炭は、火力の安定度、火持ちの長さ、ともに優れた炭です。燃焼しても臭いがなく、遠赤外線の効果により、「外はカリッとこんがり、中はしっとりやわらか」の究極のおいしさを実現します。

 

そして第三は、若いピノピノ・ノワール)ではなく、熟成ピノであわせるべしです。落ち葉の香りが漂うような深みのあるブルゴーニュの赤の方が、素材本来の味をやさしく引き立ててくれるのです。

 

そこで、今回は大胆にも2001年のヴォルネイを選択。ブルゴーニュの2001年は春・夏ともに天候に恵まれず、さらには、ヴォルネイ村では雹(ひょう)による甚大な被害が出てしまったヴィンテージです。

 

多くのドメーヌが〝腐敗果〟に悩まされた2001年ですが、造り手の卓越した醸造技術により、《ベルナール ドラグランジュ/ヴォルネイ 1erクリュ クロ デ シャンパン 2001》は、20年近くの熟成を経て、まさに今が飲み頃です。まるで〝シャトーブリアンの朴葉(ほうば)包み〟のような、枯れた風味を帯びた味わいが口の中に広がるのです。

 

熟成ピノにあわせながら、備長炭を使って七輪で焼かれるシャトーブリアン。まさに頬が落ちるとはこのことですね😋❣️

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ドン・ペリニヨン 1982🍾

シャンパーニュの最高峰ドン・ペリニヨンドンペリ〟は、ぶどうの秀作年にしかつくらず、最低でも8年の熟成を経て世にリリースされる、傑出したヴィンテージシャンパーニュとして有名です。

 

今回は1982年と2009年の垂直テイスティング。1982年は私の生まれ年…。とても、感慨深いものがあります。1982年はボルドー地方だけでなく、シャンパーニュ地方にとっても偉大な年であり、スーパーヴィンテージとされています。その《Dom Pérignon 1982》は、現在リリースされている《Dom Pérignon 2009》とは似て非なるもの…。その世界観は、私の想像をはるかに超えるものでした。

 

《Dom Pérignon 2009》は、強烈な厚みとそのあとに訪れる優雅な苦味、そしてその余韻の圧倒的な長さが特徴です。微細ながらも力強く立ちのぼる泡が、ピーナッツバターのような甘やかなナッティー香と、草原&グレープフルーツのさわやかな青さを届けてくれます。 高級バターのクロワッサンを連想させる大変リッチな味わいで、おいしさが際立っています。

 

《Dom Pérignon 1982》の抜栓後の光景は、感動的であり、衝撃的でした。36年の眠りから突然〝起こされて〟驚いたかのように、グラスに注いだ瞬間ふわっと泡が勢いよく立ち上がり、そしてすぐさま、いまにも消えてなくなりそうな優しくもなめらかな気泡がつかの間だけ続くのです。

 

色は、とても深みのある黄金色(こがねいろ)。グラスに鼻を少し近づけただけで、シェリーのフロール香と深煎りローストアーモンドのようなやわらかくも気品のある香りが漂います。味わいは、年代モノのコニャック、貴腐ワイン、風味豊かな黒酢、わずかに苦味のあるカラメルを焦がした風味…、凝縮された〝官能的な甘み〟でした。これはドンペリだけがなせる「品質」と「時間」の究極の〝マリアージュ〟なのでしょうか。

 

私の歩んできた人生の長さとぴったり重なり合う《Dom Pérignon 1982》。この一瞬のためだけに、気の遠くなるような時間を待ち続けてくれていた、そして特別なひとときを演出してくれた《Dom Pérignon 1982》に胸が熱くなり、至福の喜びとともに、感謝の気持ちがわいてきます。と同時に、稀少性が非常に高い《Dom Pérignon 1982》がこの地球上からまた1本消えてしまった、という申し訳なさも感じていました。

 

酔いがまわるにつれ、長い時間をかけてどんどん熟成・進化を続ける〝同期のドンペリ氏〟から「これまであなたは、自分を磨き続けてきましたか?」と、人生における本質的な問いを突きつけられたような、不思議な感覚に陥ったのです。

 

そんな自分との〝対話〟ができることこそ、「熟成ドンペリ」の真のすごさなのかもしれませんね✨

 

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