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私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

幻のメルキュレ村の白✨

ブルゴーニュといえば、ジュヴレシャンベルタンやピュリニーモンラッシェなど、コート・ド・ニュイ & コート・ドール地区のワインが有名ですが、その南に続くコート・シャロネーズ地区からも優れたワインが多く産出されています。とくに「メルキュレ村」のワインは高評価で、生産量もこの地区最多を誇ります。

 

1級畑が多く(全体の4分の1)、半数以上が赤ワインのメルキュレ村。なかでも、抜群に高品質なピノ・ノワールは、プルミエクリュの「サズネー」畑です。

 

「サズネー」のクリマは海抜250~300mの南東向き、かつ斜面地にあり、十分な日照量と、粘土・石灰・砂質土壌という、良質のピノ・ノワールが育つ条件がそろっています。通常5~10年が飲み頃といわれるメリュキュレのワインも、この「サズネー」に限っては、より長い熟成に耐えうるポテンシャルです。

 

今回はルイ・ジャドの《メルキュレ プルミエクリュ サズネー 2001》と《メルキュレ ブラン 1998》を抜栓。

 

赤の《2001》はある程度枯れ感のある色合いですが、その濃さやにごり具合から、ほんらいの品質の高さが十二分に伝わります。抜栓直後は、還元香らしきパーマ液の香りを感じ、ほどなく消え去ったかと思うと、熟した果実香にバニラ、カカオ、葉巻、湿った土、そしてアニスのエッセンスが訪れます。なんと魅惑的な香りなのでしょうか。

 

冬は寒く、夏は涼しかった2001年のこのワインは、気候の影響も受けて、醸造当初タンニン(渋み)が強かったのですが、17年という時が経つと、それはそれは優しくやわらかな丸みを見せてくれます。はじめは控えめな印象ですが、あとからフワッと腐葉土とヨーグルト風味のバリウムを足して二で割ったようなまったりとした風味がやってきます。

 

一方、白の《メルキュレ ブラン 1998》は、キラキラまばゆいばかりのゴールドカラー。蜂蜜、バニラ、クロワッサンにヘーゼルナッツ…この甘くて芳ばしいナッティー香は、香りをかいだだけで、このうえなく幸せな気持ちになれます。口に含むと、その幾層にも重なるリッチな果実味は、少しとろみさえ感じます。

 

1998年の収穫時期の10日間はまったく雨は降らず、天候にも恵まれたせいもあって、もともと例年以上の甘味と成熟度を誇ります。20年の時を経た『メルキュレ ブラン』は、熟したパイナップルやマンゴー、 パッションフルーツなどの果実味と溢れんばかりの芳醇さが幾層にも重なり、可憐で素晴らしい熟成感を見せてくれました。

 

 

ルイ・ジャドのメルキュレの旨さは格別です。しかし、惜しむらくは、赤も白も毎年の供給がないことでしょうか。とくにメルキュレの白に限っては、めったに造らないことで有名です。もし20年熟成のヴィンテージに出会えたらぜひご賞味くださいね。きっと、メルキュレの虜になるはずです。

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