未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

ワインとは時空の旅人。

ブルゴーニュのオー・コート・ド・ニュイ。ブルゴーニュ屈指の銘醸地です。今回は、この赤ワインの6年と22年の垂直テイスティング。16年の熟成の差異を検証します。生産者は《ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール》です。

 

この造り手の特徴は、繊細さのなかにも、ピノ・ノワールの厚い果皮の〝重み〟を舌の上にズドーンと感じさせる力強さにあります。とりわけルビールージュの輝きを放つ《2013》に合わせたいのは、極上サーロインの焼きしゃぶです。《2013》の豊潤な果実味と厚みあるタンニンによって、口の中でとろける肉の旨みをさらに引き出してくれるのです。

 

ところが《1997》になると、一変してパワフルな《2013》の面影はなくなります。液面のエッジ部は、完全に色が抜け落ち、濁った紫蘇ジュースのような色調。グラスを傾けると、壁面にしずく跡がはっきり残るほどの、とろみ具合です。黒麹もろみ酢を彷彿させる妖艶な香りに、杏子や梅ジャムのような上品な果実味&甘酸っぱさで、その甘みと酸のバランスが絶妙なのです。

 

そんな丸みのある《1997》には、適度にさしが入った〝カイノミ〟の焼肉がよく合います。《1997》のとろみがまるで梅ジャム風味のタレのようにからみ、肉の脂をより甘く濃厚に味わうことができるからです。落ち着いた《1997》のアフターに導かれるように、カイノミの味の輪郭が浮かびあがってくるから不思議です。

 

同じ造り手の同じ土地の同じぶどう品種。違いはヴィンテージのみ。しかし、色も香りも味わいも、まったく異なります。ワインにとっての6年と22年の〝時間差〟は、私の想像をはるかに超えています。ワインとは時空の旅人。時空のへだたりがワインをおもしろくするのですね😊

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