ブルゴーニュ唯一の日本人醸造家、仲田晃司氏の《ルーデュモン/ブルゴーニュ・ブラン2013》。淡いイエローゴールドで、香りはほのかにアカシアの蜂蜜。テイストはとても個性的です。完成したばかりのコンクリート建造物のような冷たさ、ほこりっぽさ、シンナー、鉄カビ臭…。くちに含むとするどい酸が突き刺さり、それは極寒日のトゲトゲしい痛みにすら感じます。時間が経っても、まるくならず、軸がぶれないのも特徴です。
シェフがこのワインに合わせてくれたのは、「無色のガラス皿」。いうまでもなく、共通点は〝朴訥(ぼくとつ)とした透明感〟です。ワインも料理も通常より温度が低い、というわけではありませんが、不思議なことに、ガラスに盛られた生ハムや夏野菜は、ワインと共鳴するかのように塩味とミネラル香をかもしだし、素材の味を研ぎ澄ませてくれるかのようでした。
《ルーデュモン/ブルゴーニュ・ブラン》。とりわけ、〝朴訥とした透明感〟を感じさせる2013年がわたしのお気に入りです✨