ワインと料理の合わせ方のコツ。それはずばり、「特性」を合わせるということ。ブルゴーニュワインの特徴は、エレガントかつ、チャーミング。合わせる料理もエレガントでチャーミングであれば、その相性は抜群によくなる、というわけです。
ただ、ブルゴーニュのなかでも、ジュヴレ・シャンベルタンという村のワインはとても個性的。エレガントでチャーミングなうえ、「力強さ」が兼ね備わります。そのうえ、ジュヴレ・シャンベルタンの〝経年変化〟は、エレガントさ、チャーミングさ、力強さ、に加えて「まろやかさ」があらわれます。《ドメーヌ・ブシャール》の《ジュヴレ・シャンベルタン2009》はその最たる例でしょう。
さてこのワインに、どんな料理を合わせるべきでしょうか。
(1)エレガント
(2)チャーミング
(3)力強く
(4)まろやかな
この4要素を備えた料理は、肉でも魚でもなく「オマールエビ」。エレガントに薫る、甲殻類特有の香りに、まろやかな甘みと、凝縮した力強い旨みが特徴です。
この同じ特性をもつもの同士、すなわち《ジュヴレ・シャンベルタン2009》とオマールエビを合わせると、複雑さも味の奥行きもぐんと広がります。
たとえば、抜栓直後から広がる赤いベリー香と、オマールの殻がバターグリルされた際に放つピンクペッパーの香りとが重なると、双方のチャーミングな印象から、ライチやマンゴーのような魅惑の芳香へと複雑さが増します。また、まろやかな果実味とオマールの甘みは、高級和栗のモンブランのような、上品かつふくよかな甘みへと奥行きが広がります。
マリアージュに迷った際は、ぜひワインと料理の「特性」を合わせことを意識してみてくださいね🦞