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私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

土瓶蒸しとワインの共通点

土瓶蒸しとワイン。両者に共通するのは、〝土〟によっておいしさがもたらされる点です。

 

土鍋が料理をおいしくすることは広く知られていますが、材質がおなじ土瓶もまたしかり。土に含まれる小さな気泡によって遠赤外線効果がうまれ、沸かしたお湯はまろやかに、調理食材はじっくり中まで加熱され、旨味が増します。

 

一方、ワインのおいしさが土の影響をうけていることは自明。ぶどうの木は水分を求めて深く根をはるため、表層部だけでなくその土地の地層全体がテロワールに反映されます。

 

そんな土瓶蒸しとワインは、やはり相性のいい取り合わせ。とくに松茸の土瓶蒸しに、およそ20年のメルキュレ・ルージュを合わせるのが、わたしのお気に入りです。ブルゴーニュ地方、コート・シャロネーズ地区に位置するメルキュレ村は、石灰質と粘土質の土壌からなり、果実味、タンニン、ミネラル感の強いピノ・ノワールを産出します。インパクトのあるピノ・ノワールは、早飲みより熟成させることでその魅力が開花。一般的には数年~10年が飲み頃といわれていますが、繊細な松茸にはもうすこし長めに熟成したメルキュレの方がよく合います。

 

今回は《1997年》の《アンリ・ド・ヴィラモン》を抜栓。ピノ・ノワールの枯れ感がちょうどキノコや土のようなニュアンスで、松茸の土瓶蒸しには最適の熟成具合です。経年変化でまるみを帯びた酸は、松茸と出汁の旨みをいっそう上品に引き立て、鼻からぶわっと抜け広がるその風味に、心身が満たされます。

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