未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

すし屋の家宝「煮つめ」

煮つめ(たれ)でいただく鮨といえば、穴子。ハマグリやゲソもそうですが、とりわけ穴子と煮つめの相性がいいように思います。

 

それもそのはず。「煮つめ」とは穴子の煮汁を煮つめ、甘辛く味つけしたもの。穴子の旨みが凝縮されています。それが塗り重なることで、穴子本来のたんぱくな旨みが濃化し、こってりとした甘辛味とみごとに調和するのです。

 

そんな穴子鮨に、エクストラ・ドライのシャンパーニュを合わせるのもひとつ。エクストラ・ドライは、ブリュット(辛口)より残糖レベルがひとつ上の甘辛表示。つまり、ブリュットより加糖量の多い「中辛口」を意味します。これが煮つめと交わると、鮨が一層まろやかな甘みを帯びるのです。

 

今回セレクトしたのは、1776年創設の老舗メゾン《ルイ・ロデレール》。ぶどうを購入し、ワインを生産するメゾンが多いなか、ぶどう栽培から一貫したワイン造りにこだわるのがルイ・ロデレール。その精神は創業よりつづく家族経営によっていまも受け継がれています。黄金色に輝く《カルト・ブランシュ・エクストラ・ドライ》は細やかな泡と焦げたトースト香。ふかい旨味とコクが舌にしみいり、肉厚の伝介穴子を包み込みます。

 

煮つめは継ぎ足しをくりかえしながら守られる、店伝統の味。歴史ある老舗メゾンのシャンパーニュとともに堪能していただきたい🍾✨

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お腹も心も満たされるギョウシャンの魔法

餃子にシャンパーニュを合わせる〝ギョウシャン〟。なかでも、気心知れた友人同士のギョウシャンパティーは、最高に盛り上がります。

 

ギョウシャンでのシャンパーニュは、肉に負けない厚みとコクが必須。加えて、ニンニクや香辛料にも合うよう、複雑味を帯びたシャンパーニュなら尚のこといいでしょう。おすすめメゾンは《ニコラ・フィアット》。白コショウ、熟して甘くなったジンジャー、大葉などの複雑味で、餃子との相性が抜群に良化します。具材やタレの違いで飲み比べできる、豊富なラインナップもうれしいところ。

 

お気に入りのシャンパーニュを各自持ち寄ってのギョウシャンパティー。餃子は買ってもよし、ワイワイ仲間とつくるのもよし。懐にも優しいギョウシャンは、お腹も心も満たされ会話も弾みます♪

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シャブリのようなピノ・ノワール

シャブリに代表される〝ミネラル感〟。多くは、白ワインにもちいられる表現です。ただ、ミシェル・マニャンの《コトー・ブルギニョン・ピノノワール》は赤ワインでありながら、この〝ミネラル感〟をつよく感じさせるから不思議です。

 

ブルゴーニュの丘」を意味するコトー・ブルギニョンは、村や畑を限定せず、ブルゴーニュ各地のぶどうを混合します。使用するぶどうによって味わいは千差万別。造り手の個性が如実にあらわれます。とりわけミシェル・マニャンの2014は、鮮烈なミネラル感が引き立ち、まさにシャブリのようなピノ・ノワール。サザエのつぼ焼きとの相性が抜群で、海のミネラル感、貝の旨み、しょう油の芳ばしさがワインとみごとに調和します。

 

ひとくちに、コトー・ブルギニョンといっても、味わいはさまざま。見方を変えれば、村や畑で選ぶよりもむずかしいといえます。そのなかから自分の〝お気に入り〟を発掘するのも、ワインならではの醍醐味かもしれませんね🍷✨

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七輪とシャンパーニュで至福のひとときを

最近なぜか、〝昭和〟が再ブレイクしています。現代のストレス社会に心の癒しを求める人が多いからでしょうか。

 

「七輪」も、ノスタルジーを感じるアイテムのひとつです。パチパチと炭がはぜ、芳ばしい香りが漂う。そんな夜には、哀愁ただようワインをあけ、滋味深い料理とともにちびりちびりとやりたいもの。ほっこりとした気持ちになり、なんともいえない至福のひとときを感じるはずです。

 

《ルイ・ニケーズ/ブリュット1erクリュ2008》は、どこか野暮ったさを感じる個性的なシャンパーニュ。落ち着いた麦わら色に、しんしんと湧く泡。12年の経年変化は底知れない奥深さを生んでいます。七輪で焼かれたうるめイワシは、外はこんがり、中はふっくら。はらわたとルイ・ニケーズの苦みが重なり、イワシの滋味が五臓六腑にしみわたるかのようです。

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〝玉〟で選ぶシャンパーニュ

しょう油の濃口と淡口、うなぎの背開きと腹開きなど、関東と関西の食文化のちがいは興味深い。鮨ダネの玉(ぎょく)でいうと、関東はカステラのような玉子焼きで、魚のすり身や山芋を加えてじっくり焼き上げられます。いっぽう関西は、甘めの出し巻き玉子が一般的。

 

鮨屋ではこの玉が、シャンパーニュ選びの道標となります。最初にアテで注文し、もし〝カステラ〟であればその店は江戸前鮨の店。多くが、赤酢のシャリで味つけされ鮨ダネです。〝出し巻き玉子〟の場合は、関西の甘めのシャリで醤油をつけていただくスタイル。

 

わたしの定番は、関東風のカステラであれば熟成シャンパーニュ、関西風の出し巻き玉子なら辛口シャンパーニュ。熟成によるまろやかな風味は、甘く濃厚な玉子のコクと融合し、味がほどこされた鮨ともバランスがいい。一方、フレッシュな酸とミネラル感の辛口シャンパーニュは、玉の出汁風味をひきたて、純粋な魚のうまさを際立たせます。

 

今回は、とりわけ玉との相性がいい《ポル・ロジェ》を二本。英国王室御用達の折り紙つきの老舗メゾンです。ラインナップすべてがステンレスタンク醸造にもかかわらず、ハチミツやトースト香が上品に香り、厚みとコクが玉子のふくよかな味わいを膨大させます。

 

鮨屋では、まず玉をいただく。それにつづく鮨とのマリアージュを想像し、シャンパーニュを選ぶのも楽しいもの。ただ、今回のように関東と関西、双方の玉をいただける機会には、熟成と辛口シャンパーニュの同時抜栓をぜひお勧めします🥂🍣🥚✨

 

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〝鴨〟ギョウシャン

外はパリッと芳ばしく、中は肉汁ジューシーな餃子。豚肉で作られるのが一般的です。ただ、シャンパーニュと食す〝ギョウシャン〟で、忘れてはならないのが鴨(かも)餃子。凝縮感ある鴨の旨みと、シャンパーニュの深いコクが融合します。

 

たとえば鴨肉100%の餃子であれば、フレッシュ感とボリューム感を兼ね備えた《GHマム/グラン・コルドン》がおすすめです。鴨の旨みを増幅させつつ、くどさを微塵も感じさせないのがマムならでは。また、鴨と豚の合いびき餃子なら、パクチーをそえて《ロゼ》といただく。さわやかな酸ときめ細やかな複雑みが、肉の甘みを引き立て、パクチーの爽快感とも調和します。

 

豚を鴨にかえてみるなど、合わせるワインを考慮して普段のレシピをひと工夫。一段とマリアージュの楽しさも増します🥂✨

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アーティスティックなエチケットを選ぼう

「造り手のセンスは、エチケット(ラベル)にも反映される」というのが、わたしの経験に基づく持論です。アーティスティック(芸術的)なエチケットを選ぶと、すばらしいシャンパーニュに出会える可能性が高まります。個性的なシャンパーニュを目指す造り手は、エチケットにまでそのアイデンティティがあふれているからです。

 

その一例が、《シャンパーニュ・ド・ラ・ルネサンス/キュヴェ・フルラン》と《マチュー・プランセ/ロゼ・1erクリュ》。ぶどうの樹の枝葉をモチーフにしたキュヴェ・フルランは、繊細な酸とまるみある果実味が特徴のブラン・ド・ブラン。サクサクとした歯触りの北海道産ツブ貝に合わせると、磯の香りをやさしく包みこみ、貝のうまみとシャンパーニュのコクがみごとに融合します。

 

一方ロゼは、マダムデザインの美しい女性画。エチケットと共鳴しているかのような濃いローズピンクと、赤いベリーの風味が際立ちます。合わせる一貫は、身があつく甘みのつよい閖上(ゆりあげ)産の赤貝。鼻からぬける潮の香りとシャンパーニュのふくよかさが相まって、深遠なる旨みを堪能できます。

 

シャンパーニュ選びに迷ったら、アートなボトルデザインのものをお選びください。きっと、その〝直感〟がすばらしいシャンパーニュを引き寄せてくれるはずです🍾✨

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