未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

ジビエが苦手な人にオススメ

「ルーミート」。カンガルーの肉を意味します。オーストラリアの大自然で生まれ育った、ジビエ(野生鳥獣)。脂肪分1~2%という驚異的な赤身、それでいて身質はとてもやわらか。

 

そんなルーミートには、ぜひ熟成のメドック・ワインを。(オー・)メドックといえば、格付けシャトーが居を連ねるカベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地。おなじボルドーメルロー種に比べ、酸とタンニンで引き締まったワイン。それが熟成とともにまるみを帯び、極めてエレガントな風味に進化します。シャトー・ルデンヌの《ラ・クール・パヴィヨン1982》もしかり。〝あっさりしながらも濃厚〟なルーミートの味わいとよく合います。1670年設立の歴史あるこのシャトーは、1975年から2000年まで、ジンで有名な英国〝ジルビー家〟が所有していたことでも有名です。経年38年のワインは褪色はするも、香りは力づよく濃密なベリーやカカオ。時間とともに、なめし皮のような野生的な芳香も広がります。味わいは力づよさより、繊細さがまさる印象。ほんのすこし物足りなさも感じますが、それがルーミートと絶妙に調和し、洗練された赤身の旨さを上品に引き立てます。

 

オーストラリアはもちろん、欧州にも普及しているルーミート。野生のくさみはほんとどなく、噛むほどに甘みがあふれ、ジビエが苦手な人にもオススメです🍷🍴✨

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冬の一貫

魚に非(あら)ずと書いて〝鯡(にしん)〟。江戸時代、北海道の松前藩で米に代わる財源として、重宝されていた魚です。いまでも北海道を代表する鮨ダネ。鯵(あじ)と鰯(いわし)を足したような味わいで、旬の冬はトロのような脂の甘みが増してさらに美味です。

 

そんな旬のにしんに合わせるシャンパーニュが《ガティノワ》。アイ村のピノ・ノワールを主体とし、青魚特有の旨味に負けない厚みとコク、脂の甘みを引き立てるエレガンスと繊細さを兼ねそなえます。なかでも〝コトー・シャンプノワ〟の赤ワインをブレンドした《ブリュット・ロゼ》が、絶妙な複雑味と苦味でにしんには最適です。そして、おなじくニシン科の旨い魚といえば「コハダ」。《ブリュット・レゼルヴ》がよく合います。厚みと奥ゆきある味わいで、酢〆された芳醇なコハダを包み込んでくれるからです。

 

格別にうまい、冬のにしん。惜しむらくは、鮨でいただける機会はそう多くないということ。足が早いうえ、小骨が非常に多く仕込みにたいへん手間のかかる鮨ダネ。遭遇された際には、ぜひお試しいただいきたい一貫です🍣🥂✨

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〝王様〟にキャティアを添えて

冬を代表する高級魚、〝フグ〟と〝クエ〟。鍋も美味ですが、弾力ある歯ごたえの鮨もまた絶品です。

 

食感にくわえ、握りにすると見た目も区別できないほど、双方うつくしい白身。ところが頬張ってみるとその差は歴然。フグは甘味と旨味がつよく、まさに舌鼓をうつ美味しさ。対してクエは、淡泊であっさり。すこし物足りなさすら感じますが、上品な旨味がじわじわと続き、それが何ともあとを引くうまさです。

 

そんな二貫にはキャティアという造り手の《ブリュット・プルミエ・クリュ》と《ブリュット・ロゼ》がおすすめ。ともに黒ぶどう主体で、魚の旨みと調和するコク。さらにプルミエ・クリュは濃厚なフグを引き立てるミネラル味、ロゼは繊細なクエを包み込む厚みが特徴です。なにより、キャティア特有のやわらかさが、双方から〝やさしい〟甘みを引き出します。

 

「鍋の王様」と称されるフグとクエ。キャティアはそんな王様の、うちに秘めた一面を垣間見せてくれるよう。そんな〝王様たち〟にはぜひキャティアを添えて、引き出される自然の甘みをご堪能ください🍣🥂✨

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ふたつのノワール

〝海のブラックダイヤ〟こと、黒マグロ。通称「本マグロ」で、不動の人気の鮨ダネです。なかでも最上級とされるのが、津軽海峡に面した大間町のマグロ。赤身の深いコクと、トロのくちのなかでとろける上質の脂は、ほんとうに美味です。

 

そんな大間の黒マグロにあわせるシャンパーニュが《キャティア》。力づよい旨味とやわらかい果実味が、大間マグロの赤身・トロともに相性抜群です。

 

キャティアとは、およそ400年にわたる一族経営の老舗メゾン。伝統を守りつつ、時代に先駆けた新鋭ブランドをてがけるなど、シャンパーニュ界の牽引的存在でもあります。そんなキャティアの拘りのひとつが、〝黒ぶどう〟の品質。力づよさと味の骨格を形成するピノ・ノワールに、ふくよかな果実味と独特の苦味を付与するピノ・ムニエ。双方の魅力が最大限ひきだされたキャティアのシャンパーニュは、力づよさと優しさをあわせもつ逸品です。今回は《ブリュット・プルミエ・クリュ》に「赤身」、《ブリュット・アイコン》に「トロたく」をあわせます。抜栓後、時間とともにミネラル感がますプルミエ・クリュは、赤身の鉄っぽい旨味とみごとに調和。一方、上品な甘みが広がるアイコンは、トロのまろやかな脂と融合。芳ばしいロースト香とたくあんの甘みもまた、絶妙なおいしさです。

 

マグロとシャンパーニュ。ふたつのノワール(黒)が奏でるマリアージュをぜひ、おためしください🍣🥂✨

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赤貝にはコレ

 「産地より重要なのが〝洗い方〟。洗いすぎて香りがぬけてしまっては台なし」。ある鮨職人の口癖です。さわやかな磯の香りが「赤貝」の旨さの決め手になるということなのでしょう。

 

そんな鮨ダネに、あわせたいシャンパーニュが《コレ》。赤貝のほんのりとした甘みがコレの芳醇なコクと融合し、独特の香りがより一層はなやかに広がります。貝の〝ひも〟には繊細な《ブリュット・白》、〝身〟には深みのある《ロゼ・ドライ》がおすすめ。ひものミネラル感ある旨み、身の甘みとさわやかな磯香がきわだつ組み合せです。

 

一般的に〝鮨シャン〟には辛口があうとされています。ところが、甘口のなかにも、料理をひきたてる逸品があります。《ロゼ・ドライ》はそのさいたる例。しっかり甘みがありつつ、甘ったるさを微塵も感じない中甘口。絶妙な酸とほどよい熟成感で、このうえなく上品な甘みを呈します。

 

シャンパーニュの〝加糖量〟に着目するのも〝鮨シャン〟の楽しみ方のひとつ。「Brut」は12g/l未満、「Extra-Sec(Dry)」は12~17g/l、「Sec」なら17~32g/lなど、ドザージュ表記も頭の中にいれておくと、マリアージュの世界はもっと広がります🥂🍾✨

 

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CMブランド「シャンパーニュ・コレ」

NM(ネゴシアン・マニュピュラン)やRM(レコルタン・マニュピュラン)とならび、シャンパーニュの生産者業態をあらわすCM(コーペラティヴ・ド・マニピュラン)。〝生産者協同組合〟を意味します。NMは購入したぶどう、RMは自家栽培のぶどうでシャンパーニュを造るのに対し、CMは組合員が栽培したぶどうで、組合ブランドのシャンパーニュを生産しています。

 

今回いただいた《コレ》は、シャンパーニュでもっとも歴史の古いCM「COGEVI(コジェヴィ)」を代表する銘ブランドです。870の組合員の、810ヘクタールに相当するぶどうのうち、おもに特級・一級畑のものだけを厳選。そんな高貴なコレの特徴は、圧倒的な〝繊細さ〟と〝やさしさ〟。栽培農家がぶどうに注いだ愛情が、シャンパーニュから溢れ出ているかのようです。

 

少しくすんだ色の《ロゼ》、淡いレモンイエローの《ブリュット》。ともにほんのり甘みを感じるドザージュ(10g/l)が、やさしい風味をさらに引き立てます。合わせる鮨も「甘エビ」や「生ホタテ」のように、甘みあるタネがお薦め。もっちりと舌に絡まる鮨と、シャンパーニュの旨味は抜群の相性です。

 

《コレ》をふくめ、豊富なラインナップもCMシャンパーニュの魅力。ぜひあれこれ試して、お気に入りの銘柄と鮨ダネの組み合わせを見つけてくださいね🍣🥂✨

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「ネゴ・フィカトゥール:オリヴィエ・ルフレーブ」

ブルゴーニュの生産者は大きくふたつに分類されます。畑を所有し、ぶどう栽培からワインの出荷まですべてを担う「ドメーヌ」と、ワインやぶどうを購入して自社ワインとして販売する「ネゴシアン」です。

 

ネゴシアンのなかでも、ぶどうを購入し醸造から手掛ける生産者を「ネゴシアン・ヴィニフィカトゥール」と呼びます。ヴィニフィカトゥールとは〝醸造家〟という意味。ぶどうの品質に、並々ならぬこだわりをもっています。契約農家に対し、栽培や収穫方法、ひいては収穫日までこと細かく指導。他人の所有地であっても、かれらにとってそこは〝自社畑〟同様なのです。

 

ピュリニー・モンラッシェに居を構える《オリヴィエ・ルフレーブ》もそのひとつ。120ヘクタールの畑に相当するワインを生産しており、定期的な契約農家への訪問を欠かしません。今回は《シャサーニュ・モンラッシェ2014》をセレクト。イエローゴールドに輝き、ハチミツ、白桃、アプリコットなどの甘い芳香が支配しています。とろりとした濃密な果実味と力づよい余韻。「2016年から2022年が飲み頃」とはまさに言い得て妙です。濃厚なカルボナーラに合わせても負けなることなく、ベーコンの塩味とミネラルの旨味が調和。あと味にほのかに感じる清涼感が、粗挽きコショウの辛みと相まって、料理全体をひきしめてくれます。

 

オリヴィエ・ルフレーブは17ヘクタールの自社畑も所有する、ドメーヌ兼ネゴシアン。通常、〝ドメーヌもの〟と〝ネゴシアンもの〟の両方を生産する場合、ラベルのデザインを変えて区別するのが一般的です。しかしオリヴィエ・ルフレーブはそれを拒み、すべてのワインに同じラベルを貼付します。「たとえ購入したぶどうのワインでも、自社畑のものとなんら遜色ない」という自信のあらわれ。この誇り高き生産者のワインを、ぜひ一度お楽しみくださいね✨✨

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