未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

コルクのカビは、ワインの守護神

一般的に「カビ」と聞くと、多くの人が家の壁や食べ物に生じる不快なものとして想像しがちです。しかし見方を変えれば、カビは驚くべき益をもたらす存在にもなります。とくに食品業界では、カビを利用してチーズの風味を深める熟成プロセスが知られています…

シャンパーニュの「厚み」とは何か

シャンパーニュは、その独特な製法と洗練されたイメージで世界中にその名を知られています。シャンパーニュを特徴づける表現の一つに「厚み」という言葉がありますが、これはビールや日本酒、焼酎など他のお酒にはあまり使用されることのない表現です。では…

餃子とかけてシャンパーニュととく

餃子とかけてシャンパーニュととく。その心は、どちらも〝ガス〟が旨さの決め手となります。餃子においては、強火でジューシーな焼き上がりを得るためにはガス(火力)が必要です。一方、シャンパーニュにおいては、瓶内二次発酵でボトル内で生じたガス(炭…

古樽から紡がれるフレーバー

ウイスキー愛好家たちがその独特の風味と製造過程に魅了される理由のひとつは、「古樽」の利用にあります。この繊細な酒の多様性と深みを引き出す重要な要素である古樽の選択は、独自のアロマと味わいを大きく左右します。 この業界の革新性と伝統を象徴する…

フライドポテトに合う最強酒

シンプルながらも多くの人々を虜にするフライドポテト。塩気とカリッとした食感で、さまざまなドリンクとのペアリングが楽しめます。しかし、数ある選択肢のなかで「フライドポテトに合う最強酒」をわたしが選ぶとすれば、それはおそらくシャンパーニュとな…

土と対話する男

これまでの人生でもっとも衝撃を受けた生産者をひとりあげるのなら、アレクサンドル(シャルトーニュ・タイエ現当主)かもしれません。レ・ ウルトビーズもシュマン・ド・ランスも、わたしにとって記憶に残るシャンパーニュです。 シャルトーニュ・タイエと…

大阪で「くわ焼き」を召し上がれ

みなさま、「くわ焼き」をご存知でしょうか。くわ焼きとは、農作業用の〝鍬(くわ)〟を鉄板にし、その上で野菜や肉を焼くという料理のことです。いうまでもなく鍬とは、田畑を耕したりならしたりする、平たい鉄に柄(え)のついた農具。その昔、野良仕事の合…

同じ名前でも違うモノ

世界の料理には、同じ名前でも国によって食材やつくり方が違うものがあります。たとえば、春巻。中華料理の定番メニューのひとつである春巻きは、小麦粉でできた皮で具材を棒状に包み、油で揚げるというのが一般的です。一方、ベトナム料理での「春巻」は、…

プイィ・フュメの守備範囲の広さ

フランスを代表する白ワインのぶどうの品種といえば、シャルドネとソーヴィニヨン・ブラン。香りも味も、両者はさまざまな点で相違があります。 たとえば、香りが控えめなシャルドネよりも、ソーヴィニヨン・ブランはハーブ系のみずみずしい香りが特徴です。…

引き寄せの法則

今月はブラン・ド・ノワール、来月はドサージュゼロなど、わたしは毎月テーマを掲げ、シャンパーニュを楽しんでいます。またそれを周囲に公言しているため、ありがたいことに「素敵なワインが入ったよ」とか「一度、飲んでみて」とか、さまざまな方が声をか…

日本の白身魚の楽しみ方

訪日される外国人のみなさまへ。日本の白身魚の魅力とその召し上がり方をご紹介します。ひらめ、たい、クエ、ふぐ、のどぐろ、金目鯛など、日本ではさまざまな種類のおいしい白身魚が楽しめます。これらの魚は独特の食感と淡泊な味わいが特徴で、日本の料理…

トレーサビリティに本気で向き合うメゾン

トレーサビリティとは、商品の生産から消費までの過程を追跡することを意味します。近年では安心・安全意識の高まりから、自動車や電子部品だけでなく、医療や食品まで幅広い分野に広がっています。 トレーサビリティの推進に最も近いシャンパーニュ・メゾン…

「苑」と「円」を通じて育まれる「縁」

日本の焼肉店で多く目にする「苑(えん)」という屋号は、深い意味を持っています。この漢字は、広々とした庭園や公園のように、人々が集まり、楽しく素敵な時間を共有する場所であることを示唆しています。「苑」を冠する場所は、人と人との「縁(えん)」…

「塩」による対比効果

味覚の世界には、「対比効果」という現象があります。これは、異なる味を組み合わせることで一方の味を際立たせることを意味します。「塩」は、この効果を体験するには最適な例でしょう。たとえば、塩を加えることでスイカの甘さがより際立ち、塩を振ったイ…

アペリティフのすすめ

フランスでは夕暮れとともに、アペリティフを楽しむ時間が訪れます。アペリティフとは直訳すると「食前酒」ですが、広義では食前酒を楽しむひとときそのものを意味します。この風習は、18世紀末の貴族社会からはじまり、やがて階級を超えて国民全体に広がり…

テロワールが生み出す個性の豊かさ

シャンパーニュの世界では、ノンヴィンテージ、ヴィンテージ、プレステージュという三つの異なるランクが存在します。ノンヴィンテージは、異なる年のブドウを混合してつくられ、一貫した味わいを目指しています。ヴィンテージは、特定の年のぶどうのみを使…

所有者の人柄がオールドヴィンテージに反映される

Mオールドヴィンテージワインは、まるで時代を超えて受け継がれるような〝文化遺産〟としての役割を担います。とくに、今回抜栓したシャトー・カロン・セギュールのヴィンテージは、90年以上もの時を経てなお、経験豊かなソムリエさえも驚嘆させるほどの素晴…

飲み頃の見極めの重要性

若いヴィンテージのファーストラベルとサードラベルの比較を通じて、ワインの奥深さと多面性、複雑性、そして飲み頃の重要性にあらためて気づくことができます。 ファーストラベルとは、「造り手の顔」ともいえるワインであり、「最高品質」を意味します。い…

鮨+粋=江戸前鮨

「鮨」とは、もともとは魚を保存する方法として発展した日本独自の食文化です。新鮮な魚介類をシャリ(鮨に使用される酢飯)の上にのせるこのシンプルな料理は、時間とともにさまざまなスタイルに広がり、とりわけ江戸(現在の東京)で独自の発展を遂げまし…

旨いは元にあり

「旨いは元にあり」。旨い鮨屋を決定づける要素です。わたしが尊敬する鮨屋の大将は、妥協のない食材探究に労を惜しみません。 漁港で水揚げされた魚を眺め、市場での競りを通じて、その日の最高の一品を見極めます。たとえば、金目鯛なら静岡県下田港、数の…

香りにこだわる結婚祝い

友人の結婚祝いになにをプレゼントするか。みなさまも頭を悩まされたことはないでしょうか。わたしが意識しているのは「香り」です。事前にリサーチしておき、新郎新婦が好きな香りのする贈り物を選ぶことを心がけています。 ふたりとも〝森のなかの若葉の香…

実質と本質の探求

モノゴトには、すべて「実質」と「本質」という二つの側面をもちあわせています。「実質」とは、事実上の状況のことであり、一方「本質」とは、根本的な性質を意味します。これらの違いを区別することは、モノゴトの本質を真に把握し、より豊かな知識と理解…

〝カビ〟の賜物

世界各地でつくられている甘口ワイン。イタリアの「パッシート」やスペインの「シェリー」など。なかでもフランス・ソーテルヌの「貴腐ワイン」は、世界を代表する甘口ワインです。 貴腐ワインが、パッシートやシェリーと決定的に異なる点は原材料。パッシー…

ソーセージの歴史

ソーセージは、古代から現代に至るまで、世界中の食文化に深く根ざしています。その起源は古代文明にさかのぼり、古代エジプトやギリシャ、ローマでは、動物の腸を使って肉やスパイスを詰めたソーセージがつくられ、冬の保存食としても重宝されていました。…

〝公認〟がもたらす重み

FIFAワールドカップのような世界的なスポーツイベントや、カンヌ国際映画祭のような芸術的な催しに選ばれるシャンパーニュは、それだけで名声を高めます。テタンジェやパイパー・エドシックなどの世界的にも有名なメゾンは、スポーツ、芸術、ファッションの…

変化とは、新たな可能性のはじまり

報道によると、2023年の世界のワイン生産量が過去60年で最低水準になったとのこと。この背景には、現代の地球温暖化による気候変動が考えられ、ワイン産業において深刻な影響を及ぼしています。 ワインの個性を形づくる重要な要素「テロワール」は、土壌と気…

『源氏物語』から学べる教訓

「ささがにのふるまひしるき夕暮れに、ひるますぐせと言うがあやなさ」。この繊細な一節は、紫式部の『源氏物語』、特に「帚木」の巻に見られるもので、極暑の薬草(ニンニク)による臭いを気にして人との会合を避ける様子を描いています。この描写は、平安…

ココロもカラダも「ほっこり」

韓国の友人は、大の日本好き、大のおでん好きです。彼女が大好きな日本語、それは「ほっこり」です。この言葉は彼女にとって、おでんを心からリスペクトしていることにほかなりません。 おでんの起源は江戸時代の「関東煮」までさかのぼります。関東煮とは、…

ロゼ・シャンパーニュではないのに、透明ボトル

ロゼ・シャンパーニュではないにもかかわらず、透明ボトルを採用するエティエンヌ・ルフェーヴル。それだけで、生産者の並々ならぬこだわりと自信を感じます。 多くのシャンパーニュメゾンは、光による劣化を防ぐために、ダークグリーンかダークブラウンのボ…

メレンゲのような〝ふわとろ〟感

「モニアル コミュニオ ブリュット」は、一般的なシャンパーニュとは一線を画します。卵白を泡立てたメレンゲのように、クリーミーで〝ふわとろ〟な泡がほんの一瞬あらわれます。この繊細な泡がグラスに注がれた瞬間、まるでシルクをまとったような滑らかさ…