未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

〝玉〟で選ぶシャンパーニュ

しょう油の濃口と淡口、うなぎの背開きと腹開きなど、関東と関西の食文化のちがいは興味深い。鮨ダネの玉(ぎょく)でいうと、関東はカステラのような玉子焼きで、魚のすり身や山芋を加えてじっくり焼き上げられます。いっぽう関西は、甘めの出し巻き玉子が一般的。

 

鮨屋ではこの玉が、シャンパーニュ選びの道標となります。最初にアテで注文し、もし〝カステラ〟であればその店は江戸前鮨の店。多くが、赤酢のシャリで味つけされ鮨ダネです。〝出し巻き玉子〟の場合は、関西の甘めのシャリで醤油をつけていただくスタイル。

 

わたしの定番は、関東風のカステラであれば熟成シャンパーニュ、関西風の出し巻き玉子なら辛口シャンパーニュ。熟成によるまろやかな風味は、甘く濃厚な玉子のコクと融合し、味がほどこされた鮨ともバランスがいい。一方、フレッシュな酸とミネラル感の辛口シャンパーニュは、玉の出汁風味をひきたて、純粋な魚のうまさを際立たせます。

 

今回は、とりわけ玉との相性がいい《ポル・ロジェ》を二本。英国王室御用達の折り紙つきの老舗メゾンです。ラインナップすべてがステンレスタンク醸造にもかかわらず、ハチミツやトースト香が上品に香り、厚みとコクが玉子のふくよかな味わいを膨大させます。

 

鮨屋では、まず玉をいただく。それにつづく鮨とのマリアージュを想像し、シャンパーニュを選ぶのも楽しいもの。ただ、今回のように関東と関西、双方の玉をいただける機会には、熟成と辛口シャンパーニュの同時抜栓をぜひお勧めします🥂🍣🥚✨

 

f:id:hrm628:20200330043247j:image