🍾熟成味のヴィンテージ・シャンパーニュに対し、フレッシュ味のNV(ノン・ヴィンテージ)シャンパーニュ。長期の耐久性はありませんが、ほんの数年を経ていささか熟成したものも乙な味わいです。
《ジャカール/モザイク・ブリュット》の旧エチケット品もその一例。〝旧〟とはいえ、2020年1月末まで国内流通していたもの。現行の新エチケット品とくらべると色、香り、味わい、微差ながらその差異を感じます。
淡いイエローゴールドの現行品。勢いよく立ちのぼる、きめ細やかな泡柑橘、はちみつ、フローラルがほのかに香ります。レモンやグレープフルーツを想わせる、エッジのきいた酸と苦味で、全体的にひきしまった味わい。対して、わずかに濃い色の旧エチケット品。泡の勢いや質感は現行品とほぼおなじですが、香りはとりわけ芳烈。熟れたりんご、酵母、ロースト、焦げ香が抜栓直後からひろがります。フルーティーですこし甘みを感じる味わいは、丸みがありふくよかな印象。
焼き穴子や煮穴子のように、同じ食材でも調理法の異なる鮨ダネとあわせれば、よりいっそう楽しむことができます。おすすめはフレッシュな酸味の現行品に「生ウニ」、ほのかな甘みと芳ばしさの旧品には「炙りウニ」。《ジャカール/モザイク・ブリュット》のわずかな熟成差が、それぞれの濃厚なウニの旨味と磯の香りを最大限に引き立ててくれるのです。
エチケットの変更時期を事前に把握することは困難ですが、切り替わった直後なら新・旧ともに流通している可能性があります。飲み比べができる機会があれば、ぜひお試しください🥂✨