白身のような淡泊な鮨ダネには白のシャンパーニュ、赤身や鰻のように濃厚なタネにはロゼ・シャンパーニュを合わせる。これがわたし流〝鮨シャン〟の基本。
その例外が《ポール・グール》のロゼ。これ一本であらゆるタネとマリアージュする、いわば鮨シャンの〝万能酒〟です。
シャルドネの銘醸地、コート・デ・ブランがポール・グールの本拠地。優秀な生産者が集まるなか、極めて上質なシャルドネをつくるメゾンと高く評価されています。《ブリュット・ロゼ・プルミエ・クリュ》はシャルドネ85%、ピノ・ノワール15%。シャルドネのエレガンスと繊細なフィネスを存分に感じる、ロゼ・シャンパーニュ。鯛やヒラメは上品な旨味を引き立て、マグロや鰻は力づよさを助長しながら、さらに旨い鮨へと昇華させます。
メゾンはこのロゼを〝Un rosé typé Blanc de Blancs(典型的なブラン・ド・ブランのロゼ)〟と表現します。「ブラン・ド・ブラン」とは、シャルドネ100%の白シャンパーニュのこと。ロゼは赤ワインを混ぜてつくるため、〝ブラン・ド・ブランのロゼ〟は実際には存在しません。ところが口に含むくと、この〝撞着(どうちゃく)語法〟がまさに言いえて妙。納得してしまうから不思議です。
多彩な鮨とマリアージュする、鮨シャン万能酒。《ポール・グール》のように、上質なシャルドネ主体のロゼ・シャンパーニュがオススメです🍣🥂✨