未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

ネーミングこそブランディング

五千をこえる生産者が、しのぎを削るシャンパーニュ界。そのレッドオーシャンで独自性をアピールし、ほかとの差別化をはかるのは至難の業。そこで大切となるのが、ネーミングです。メゾンの顔であるスタンダードNVのネーミングこそ、ブランディングにおける重要なファクターといえます。

 

なかでも、異彩を放つネーミングがアヤラ。「グラン・レゼルヴ」や「ブリュット・トラデシオン」といった典型的な名があふれるなか、スタンダードNVに《ブリュット・マジュール》を冠するメゾンは《アヤラ》のみ。ぶどう本来の味で勝負するため、どの銘柄もドザージュを極力ひかえるのがメゾンの鉄則。それゆえ、「ブリュット・ナチュール」を連想させる語呂に、センスのよさを感じます。マジュールとは、英語の〝メジャー〟。「低ドザージュ、エレガンス、フレッシュ」というメゾンの基本スタイルをもっとも反映した、語意どおり、アヤラの〝主要〟銘柄です。しかし、わたしが思うに、これがネーミングの真意ではありません。メジャーリーグやメジャーデビューという使い方がされるように、この言葉の根源的な意味は〝一流〟。それをあえて、もっとも生産量のおおいスタンダード品に冠し、レッドオーシャンに挑むアヤラ。自信の現われなのか、それとも自らを奮い立たせているのか。どちらにせよ、メゾンの威信をかけたネーミングであったに、ちがいありません。

 

そんなブリュット・マジュールを、今夜は関西「おでん」といただきます。すっきりとした爽やかな酸が上品な出汁風味をひきたて、タネごとの滋味深い味わいを際立たせます。とりわけ旧エチケット品は、こうばしい麦を彷彿させる焙煎香。くわえて、熟成梅酢のような繊細な酸とまろやかなコク。やさしい甘味の「たまご」と抜群の相性です。

 

「ネーミングセンスが光るメゾンに、ハズレなし」が、わたしの持論。そうした視点でシャンパーニュをセレクトしてみるのも、楽しいものです🥂✨

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