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私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

「バック・エチケット」が意味するもの

収穫年ごとの個性をたのしむヴィンテージ・シャンパーニュ。対して、毎年ぶれない安定した味わいが魅力のノン・ヴィンテージ(NV)。しかし、いつもと印象のことなるNVに遭遇したことはないでしょうか。それは「出荷後どれだけ時間が経過しているか」が影響したのかもしれません。

 

賞味期限のないワインに「製造年月日」の記載義務はなし。ところが、なかには「デゴルジュマン」を行った年月(日)をボトルに記載しているつくり手がいます。デゴルジュマンとは〝澱引き〟。瓶内二次発酵をおえた酵母の残骸を取り除く、シャンパーニュの最終工程です。こんやの《ロジェ・クーロン》と《フレデリック・マルトレ》がそれに該当します。

 

前者の《プルミエクリュ・ロメ》は、2017年1月にデゴルジュマン。淡いレモンイエローに、勢いよく立ち昇る泡。こんがり焼けたトーストのように、ゆたかな酵母とこうばしい焦げ香がひろがります。分厚く力づよい味わいは濃厚な「大トロ」にも負けず、脂の甘味を助長。一方フレデリック・マルトレは、同年2月28日付《プルミエクリュ・ブリュット・レゼルヴ》を抜栓。色、泡の勢いはロジェ・クーロンとほぼ等しく、香りにはより熟成感を覚えます。カマンベールを想わせる発酵香に、栗の花のようなかぐわしい芳香。味わいは柑橘系のエレガントな酸が魅了的。「ホタテ」鮨に合わせると、まったりしたやさしい甘味が引き立ちます。

 

両者はデゴルジュマンの日付のほか、品種割合や1リットルあたりの残糖量等もバック・エチケットに記載。〝秘密のベール〟でブランド価値を高める生産者も多いなか、積極的な情報公開は〝顧客ファースト〟の姿勢の現われといえるのではないでしょうか🍾

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