玉ねぎの歌(La chanson de l’oignon)。ナポレオン軍も歌っていた行進曲です。「油で揚げた玉ねぎが好き。玉ねぎはおいしいから好き」。勇ましく歌う軍人たちを想像すると、なんだか微笑ましく感じます。
そんな油で揚げた、オニオンリングに合わせるのはシャンパーニュ《カステルノー》。きらめくゴールカラーの《2003》は、カーヴ熟成15年。微細ながらも力づよく泡がたちのぼります。香りは酵母、ハチミツ、アプリコット、こんがり焼けたバターたっぷりのクロワッサン。味わいもきわめてリッチ。ピノ・ノワール(70%)の圧倒的な厚みと深みを、シャルドネ(30%)のエレガンスが引き立てます。オニオンリングの芳ばしい揚げ衣、油で甘みがました玉ねぎととても相性のよいペアリングです。
日本ではあまりなじみのない「玉ねぎの歌」。ところが、くりかえし歌われるサビが、童謡「クラリネットをこわしちゃった」のサビにそのまま転用されていると知ると、おのずと親近感がわいてきます。音楽も料理も不思議。オニオンリングに出会うたびに、この曲がわたしの頭に流れてきます🎼♪