2021-01-01から1年間の記事一覧
鮨には欠かせない、わさび。ぴりっとした辛みで魚の旨味を引き立てます。本わさびの魅力は、さわやかな香りと品ある辛さ。そしてあとに残る独特の甘み。ときに、しょう油をつけず、わさびだけで鮨を食すのも楽しみ方のひとつです。おすすめのタネは「うなぎ…
ビールやチューハイにくらべると「ワイン」を日常的に楽しむひとは、そう多くありません。国税庁の統計によると、2019年度の酒類小売数量のうち、「ビール」と「発泡酒」がしめる割合は34.5%、缶チューハイやハイボールなどの「リキュール」は30%です。対し…
「デキャンタージュ」とは、ワインを別の容器(デキャンタ)に移し替えること。空気に触れることで潜在的な香味が引き出され、ワイン本来の魅力を発揮します。赤ワインに施すことが一般的ですが、《ラリエ》という生産者は、自身のシャンパーニュにデキャン…
ブルゴーニュ「ムルソー」村は、フランス屈指の銘醸地。濃厚なシャルドネは、強烈な樽香にも負けない力づよいワインを生みだします。なかでもとりわけ秀逸な一級畑が「シャルム」。日照量にめぐまれた南東斜面に位置し、凝縮感のある豊潤な果実味を有します。…
シャンパーニュの二大メゾン、「テタンジェ」と「ボランジェ」。シャルドネの魅力を生かした、繊細かつエレガントなテタンジェ。対してピノ・ノワールの凝縮感と厚みのある味わいがボランジェの特徴です。 そんな対照的な両者を、大将がにぎる「おまかせ鮨」…
青汁でおなじみのケール。さすが、健康によい〝スーパーフード〟とあって、苦味がひときわ際立つ野菜。料理ではゴーヤチャンプルのように、油で炒めて苦味をやわらげるのが一般的。そんなケールでもシャンパーニュといただくなら、断然、生の「サラダ」をオ…
「串カツ」と「シャンパーニュ」はとても好相性な組み合わせ。シャンパーニュの苦味が芳ばしい揚げ衣とよく合い、こまやかな泡が脂っぽい口をリフレッシュしてくれます。 今回は《バロン・アルベール》という生産者。三代つづく家族経営のメゾンです。現在は…
プリン・ア・ラ・モードに、レモンスカッシュ。いま若者の間では、レトロ感あふれる「純喫茶」が空前のブーム。昭和世代が好むのは想像に容易いのですが、当時を経験していない世代にまで受け入れられるのはなぜでしょう。それは『ALWAYS 三丁目の夕日』に代…
わたしのリフレッシュ方法。それは休日の昼下がりにワインを楽しむこと。平日の晩酌にはない開放感と、ちょっぴり背徳感に包まれます。 きょうは《ルイ・ジョッセ/ジュヴレ・シャンベルタン2006》を抜栓。干しぶどうのような濃厚な色と香りにくわえ、カベル…
鮨をたべる際の〝順序〟を意識したことはありますか。一般的には、白身などのあっさりとした鮨ダネから、トロや鰻といった味の濃い鮨へ食べ進めるのがよいとされます。さきに濃厚な鮨を食べてしまうと、淡泊な魚が極度にうす味に感じられ、鮨ダネ本来の魅力…
フレッシュな果実味と独特なミネラル感が魅力の「シャブリ」。かつては他のワイン同様、木樽で発酵・熟成がおこなわれていました。ところが1970年代、ステンレスタンクの登場で状況は一変。ステンレスタンクはメンテナンスの容易さだけでなく、シャブリ最大…
生産者の特徴を知るには、おなじ生産者のラインナップを多く試すことがオススメ。どの銘柄にも共通のアイデンティティを感じるはずです。「アイデンティティ」とは、唯一無二の独自性を確立する要素。つまり、そのつくり手〝らしさ〟をあらわします。 たとえ…
健康志向のたかまりもあり、昨今とりわけ注目を集めている「グラスフェッド・ビーフ」。オーストラリアやニュージーランドなど、広大な土地で牧草をたべてそだつ牛肉です。一般的な穀物飼育にくらべ脂肪がすくなく、さっぱりとした上品なうま味が特徴。 開放…
外観では識別しかねるほど類似する「牛肉」と「オーストリッチ肉」。その相違点は〝脂肪量〟にあります。おなじ赤身のモモを比較すると、牛は100g中20.7g。対してオーストリッチはわずか2.5gの含有量。 きわめて低脂肪なオーストリッチ。フィレ肉であらため…
脂肪がすくなく、やわらかな身質が特徴の「ヒレ肉」。一頭分の肉のうち、わずか3%ほどの稀少部位。細長く、鰹節のように、片方が細まった形状をしています。ヒレのなかでもとくに稀少部位として有名な「シャトーブリアン」は、この中腹あたり。ほどよくサシ…
タイ、マグロ、ウナギ。養殖技術が発達し、いまでは養殖ものが天然におとらない逸品。そんななか、〝天然もの〟しか存在しない鮨ダネも。その代表格がウニ。研究されてはいるものの、いまだ未知なる部分が多く、養殖技術が確立していないのが現状です。ベー…
シャンパーニュの白とロゼ、どちらにも合う寿司があります。それは「サバの棒寿司」。かつて保存技術が未発達のころ、若狭湾から京都へつづく、通称「サバ街道」かいわいで盛んに作られていた郷土料理です。 握りにくらべ、シャリを多くつかう棒寿司。〝タネ…
スパークリングワインとは、世界各国の発泡ワインのこと。泡は、瓶内二次発酵やタンク内二次発酵、炭酸ガスの注入などで発生します。なかでもフランスのシャンパーニュ地方でつくられるのが〝シャンパーニュ〟。伝統的製法の瓶内二次発酵でつくられ、このう…
「モンターニュ・ド・ランス」「ヴァレ・ド・ラ・マルヌ」「コート・デ・ブラン」とならび、シャンパーニュの主要な栽培地である「コート・デ・バール」地区。その特徴はなんといっても地層。他の地区にみられる白亜紀のチョーク層ではなく、ジュラ紀のキン…
収穫年ごとの個性をたのしむヴィンテージ・シャンパーニュ。対して、毎年ぶれない安定した味わいが魅力のノン・ヴィンテージ(NV)。しかし、いつもと印象のことなるNVに遭遇したことはないでしょうか。それは「出荷後どれだけ時間が経過しているか」が影響…
シャンパーニュのシャルドネといえば「コート・デ・ブラン」地区。シャルドネに適した白亜質土壌がひろがります。そしてもうひとつ忘れてはならないのが、おなじく白亜質の「コート・ド・セザンヌ」地区。コート・デ・ブランの南西およそ15キロに位置し、豊…
いわずもがな、ワインクーラーはワインを冷やすためのもの。使い方次第でワインと料理、双方のおいしさが向上します。具体的には、ワインをクーラーから出し入れし、温度を調節するという使い方。わたしは普段、下記のふたつの観点から温度調節をおこないま…
おなじ料理でも野外で食べると、その「開放感」から格段おいしく感じます。たとえばバーベキュー。たかい空、ふりそそぐ陽光、そよふく風。熱々のお肉をほおばると、おもわず、幸せの吐息がこぼれます。 きょうは《パイパーエドシック・ロゼ・ソヴァージュ》…
手軽につまめる、にぎり鮨。いわば〝ファーストフード〟として世に誕生した江戸前鮨。せっかちな江戸っ子が短時間で腹を満たせるよう、現代の二、三倍の大きさで鮨が供されていました。 そんな元祖江戸前鮨を彷彿とさせるのが、「おにぎり鮨」。タネとシャリ…
シャンパーニュの味を決定づけるドザージュ。最終工程の〝補糖〟を意味します。瓶内二次発酵をおえたシャンパーニュは、「糖」がすべて「アルコール」と「二酸化炭素」に置き換わっている状態。甘味を補うことで極度の酸がやわらぎ、味全体のバランスが整い…
フレッシュな旨味と深みある果実味を兼備したロゼ・シャンパーニュ。「ブレンド法」という生産方法で造られます。その名が示すとおり、白ワインに赤ワインをブレンド。それゆえ、ロゼ・シャンパーニュは「白」と「赤」双方の特性を有します。 鮨の守備範囲も…
鯛やホタテなど生をそのまま握る鮨ダネは、素材のもち味を〝ストレート〟に感じることができます。とりわけ美味しいと思った魚は、ぜひその〝変化球〟も楽しんでいただきたい。変化球とは「あぶり」。香ばしさの付与、食感の変化などでさらに奥深い鮨へと昇…
「枝豆」と「ビール」は最強の組み合わせ。華やかなホップの香りと独特の苦味が、枝豆の青々しく、さわやかな旨味とじつによく合うからです。ならば理論上、シャンパーニュも負けないはず。瓶内二次発酵による芳醇な酵母香と、特有の苦味がシャンパーニュの…
フランスには食前酒(アペリティフ)を愉しむ「アペロ」という文化があります。お酒と軽いおつまみで胃腸をやさしく刺激し、食欲を促します。春~夏は爽やかなフレッシュシャンパーニュ、秋~冬にかけては、まろやかな熟成シャンパーニュがオススメ。 なかで…
「肉は赤、魚は白」がマリーアジュのセオリー。そのため、赤ワインを提供しない鮨屋も存在します。しかしほんとうに、〝鮨に赤〟は合わないのでしょうか。食材によっては、白よりも赤の方が合う鮨ダネもあります。 たとえば、まぐろやうに。赤身の力づよい旨…