未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

鮨屋の愉しみ方

タイ、マグロ、ウナギ。養殖技術が発達し、いまでは養殖ものが天然におとらない逸品。そんななか、〝天然もの〟しか存在しない鮨ダネも。その代表格がウニ。研究されてはいるものの、いまだ未知なる部分が多く、養殖技術が確立していないのが現状です。ベールに包まれた、魅惑のウニ。それを贅沢にも〝板ウニ〟でいただくのがわたし流鮨屋の愉しみ方です。

 

なかでも、とろりとした食感と甘味が魅力の「バフンウニ」。今夜は、老舗メゾン《テタンジェ》とともにいただきます。まずはメゾンの顔というべく《ブリュット・レゼルヴ》。35区画のぶどうがブレンドされたNVは、シャンパーニュ屈指のバランスの良さが魅力。瑞々しいグレープフルーツに、やわらかなイースト香。シャルドネの繊細なフィネスが、エレガントな女性を彷彿とさせます。緻密でクリーミーな泡がバフンウニと融合し、濃厚な甘味を舌に分厚く、纏わせてくれるのです。対して《レ・フォーリ・ド・ラ・マリケットリー》は単一畑のNV。テタンジェがはじめてリリースした、記念すべきキュヴェです。歴史をさかのぼること1932年。〝マルケットリー城〟とその周囲にひろがるぶどう畑〝レ・フォーリ〟をピエール・シャルル・テタンジェが購入し、テタンジェのシャンパーニュづくりがはじまります。いわば、メゾンの原点。香りは白桃の甘い果実香に、トーストやローストナッツの鮮烈かつ力づよい芳香。深みあるコクと独特の苦味も相まって、男性的な印象です。驚くほど大きな泡、エネルギーあふれる荒々しさ。「微調整せず、ありのままで勝負する」という、テタンジェの並々ならぬ心意気を感じます。バフンウニと交わると勢いある泡で磯の香りが炸裂し、さわやかな甘味がくちいっぱいにひろがります。

 

カウンターのネタケースを眺めつつ、いただく肴や鮨を思案するのも至福のひととき。そこに板ウニが積んであれば、絶好のチャンス。〝裏メニュー〟で出してもらえないか、大将に交渉する価値、大いにありです🥂✨

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