2020-01-01から1年間の記事一覧
Brut(ブリュット)やSec(セック)は、シャンパーニュの甘辛度をあらわす標示。その甘辛度の多くは、ドサージュの量によって決まります。ドサージュとは、シャンパーニュづくりの最終工程で糖分を追加すること。この結果として、BrutやExtraBrut(エクスト…
白身のような淡泊な鮨ダネには白のシャンパーニュ、赤身や鰻のように濃厚なタネにはロゼ・シャンパーニュを合わせる。これがわたし流〝鮨シャン〟の基本。 その例外が《ポール・グール》のロゼ。これ一本であらゆるタネとマリアージュする、いわば鮨シャンの…
「ルーミート」。カンガルーの肉を意味します。オーストラリアの大自然で生まれ育った、ジビエ(野生鳥獣)。脂肪分1~2%という驚異的な赤身、それでいて身質はとてもやわらか。 そんなルーミートには、ぜひ熟成のメドック・ワインを。(オー・)メドックと…
魚に非(あら)ずと書いて〝鯡(にしん)〟。江戸時代、北海道の松前藩で米に代わる財源として、重宝されていた魚です。いまでも北海道を代表する鮨ダネ。鯵(あじ)と鰯(いわし)を足したような味わいで、旬の冬はトロのような脂の甘みが増してさらに美味…
冬を代表する高級魚、〝フグ〟と〝クエ〟。鍋も美味ですが、弾力ある歯ごたえの鮨もまた絶品です。 食感にくわえ、握りにすると見た目も区別できないほど、双方うつくしい白身。ところが頬張ってみるとその差は歴然。フグは甘味と旨味がつよく、まさに舌鼓を…
〝海のブラックダイヤ〟こと、黒マグロ。通称「本マグロ」で、不動の人気の鮨ダネです。なかでも最上級とされるのが、津軽海峡に面した大間町のマグロ。赤身の深いコクと、トロのくちのなかでとろける上質の脂は、ほんとうに美味です。 そんな大間の黒マグロ…
「産地より重要なのが〝洗い方〟。洗いすぎて香りがぬけてしまっては台なし」。ある鮨職人の口癖です。さわやかな磯の香りが「赤貝」の旨さの決め手になるということなのでしょう。 そんな鮨ダネに、あわせたいシャンパーニュが《コレ》。赤貝のほんのりとし…
NM(ネゴシアン・マニュピュラン)やRM(レコルタン・マニュピュラン)とならび、シャンパーニュの生産者業態をあらわすCM(コーペラティヴ・ド・マニピュラン)。〝生産者協同組合〟を意味します。NMは購入したぶどう、RMは自家栽培のぶどうでシャンパーニ…
ブルゴーニュの生産者は大きくふたつに分類されます。畑を所有し、ぶどう栽培からワインの出荷まですべてを担う「ドメーヌ」と、ワインやぶどうを購入して自社ワインとして販売する「ネゴシアン」です。 ネゴシアンのなかでも、ぶどうを購入し醸造から手掛け…
熟成味のヴィンテージ・シャンパーニュに対し、フレッシュ味のNV(ノン・ヴィンテージ)シャンパーニュ。長期の耐久性はありませんが、ほんの数年を経ていささか熟成したものも乙な味わいです。 《ジャカール/モザイク・ブリュット》の旧エチケット品もその…
赤ワインを混ぜてつくる〝ブレンド法のロゼ・シャンパーニュ〟。透明なワインにするために、澱(おり)を沈殿させる〝動瓶台〟。単一年のぶどうでつくる〝ヴィンテージ・シャンパーニュ〟。いまではどれも取り沙汰されることのない、シャンパーニュ界の常識…
収穫年や生産年の表記がないNV(ノン・ヴィンテージ)シャンパーニュ。基本的にはフレッシュな味を楽しむもの。メゾンも購入してすぐの抜栓を推奨しています。ところが、なかには数年おいておくことで、その味わいが劇的に昇華するすばらしいNVがあります。 …
NV(ノン・ヴィンテージ)シャンパーニュとは、複数年のワインがブレンドされたもの。単一年のヴィンテージ・シャンパーニュとは異なり、エチケット(ラベル)に年号の記載はありません。ただ、年号記載がなくても〝エチケットデザイン〟からおおよその生産…
「プレリュード(前奏曲)」や「エチュード(練習曲)」など、ピアノではおなじみの曲名です。これらは性格的小品といい、シャンパーニュ《テタンジェ》が名づける「ノクターン(夜想曲)」もそのひとつです。 残糖量が17.5g/lと、一般的な辛口シャンパン(1…
ショパン24の前奏曲。叙情的な旋律の「雨だれ」や、胃腸薬のCMでおなじみの「7番イ長調」などがとりわけ有名です。本来、前奏曲(プレリュード)とは大曲の前に演奏される小規模な楽曲のこと。それがのちに、即興性の強い独立した曲をさすようになります。…
「螺旋(らせん)」とは、巻き貝のように立体的に渦巻いている状態のことをいいます。この〝螺〟という漢字、訓読みは〝つぶ〟。鮨ダネの定番であるつぶ貝の〝つぶ〟です。 螺(つぶ)貝は、「あさり」や「ほたて」のように特定の貝をさす名称ではありません…
ウナギの「白焼き」と「蒲焼き」。どちらも甲乙つけがたい美味しさです。タレをつけずに素焼きしたものが白焼き。わさびなどの薬味とともに、上品かつ洗練されたウナギ本来の旨味を堪能できます。一方、白焼きにタレをつけ、さらに炭焼きするのが蒲焼き。脂…
数あるチーズのなかで、もっともポピュラーなひとつが「クリームチーズ」。(生)クリームに牛乳を混ぜて乳酸発酵させたもの。フレッシュでクリーミーな味わいが特徴です。 なかでも逸品なのが、宮城県の蔵王チーズ。酪農から手掛けるチーズづくりで、原材料…
フランス語の「Mademoiselle(マドゥモアゼル)」とは、英語の「Miss(ミス)」に相当する未婚女性の敬称。〝お嬢さん〟を意味するDemoiselle(ドゥモアゼル)が語源となっています。 この名を冠したシャンパーニュが《ドゥモアゼル・テート・ド・キュヴェ》…
「全国和牛能力共進会」とは、5年に一度開催される和牛の品評会のこと。〝和牛のオリンピック〟とよばれ、各道府県が自慢のブランド牛をひっさげ、勝負に挑みます。 その2017年大会で、500を超える銘牛を抑え優勝したのが「鹿児島黒牛」。それまで芳しくない…
ブルゴーニュとならび、フランスの二大銘醸地であるボルドー地方。赤ワインは「カベルネ・ソーヴィニヨン」主体と「メルロー」主体、の大きく二つに分類されます。 ボルドーを流れる河川の、上流側からみた〝左岸〟がカベルネ・ソーヴィニヨンの名地。(オー…
F1(エフワン)といえば、表彰式のシャンパン・ファイト。おなじみの豪華絢爛なパフォーマンスで、シャンパーニュ普及の一端を担ってきたともいえるでしょう。 おなじく〝シャンパン・アンバサダー〟として、わたしが注目しているのがサッカー。競技人口2億5…
「ワインの王」と称されるのが、イタリアのバローロ。ネッビオーロ種100%の濃厚な味わいに、まさに王の名にふさわしい威厳を感じます。 このバローロの長期熟成にこだわるのが《ジャコモ・ボルゴーニョ》。1761年創業のピエモンテ州最古の生産者です。巨大な…
冷製のローストビーフ、「コールド・ビーフ」。なかでも極上サーロインのコールド・ビーフは、異なるテイストのワインでいただくのがわたし流。温度が上がるにつれサシの脂が溶けだし、肉の味わいが変化するからです。 たとえば、1994年の「バルバレスコ」と…
1960年代から大活躍し、2017年に引退を表明したフランスの映画俳優、アラン・ドロン。180センチの長身と端正な顔立ちで、ファンを虜にしました。ヒット作品はかずしれず、誰もが認める、世界の大スターです。現在はアパレルブランとして有名なアラン・ドロン…
しゃぶしゃぶ(Shabu-Shabu)といえば、もちろん〝牛〟しゃぶ。そのユニークな名は、大阪の老舗ビフテキ店が名づけたもの。いまやSushi(鮨)と並んで、日本食を代表するひとつです。 今日はわたし流のしゃぶしゃぶスタイルをご紹介します。 【その一】たれ…
シャンパーニュは大きく二つに分類されます。主たるヴィンテージワインに複数年のワインをブレンドする「ノン・ヴィンテージ(NV)」と、単一年のぶどうから造られる「ヴィンテージ・シャンパーニュ」。安定的に市場供給できるNVに対し、秀作年のみに造られ…
ワイン大国フランス。そこは「芸術の国」でもあります。幼いころから〝アート〟に触れる生活環境で、幼稚園児ですら美術館にでむき、模写をする授業があるというから驚きです。絵画を買うことは日常的。ごくふつうの一般家庭でも、有名無名をとわず多くの絵…
「ザブトン」や「シンシン」など、ユニークな名でよばれる牛の稀少部位。わたしの好きな松阪牛「トウガラシ」もそのひとつです。一頭から二キロほどしかとれない赤身肉で、唐辛子のような三角形をしているのが名の由来。運動量の豊富な腕にちかい部位のため…
シャンパーニュのおもな生産地は、シャルドネの「コート・デ・ブラン」、ピノ・ノワールの「モンターニュ・ド・ランス」、ピノ・ムニエの「ヴァレ・ド・ラ・マルヌ」の三地区です。これらが属するマルヌ県の栽培面積は、シャンパーニュ全体の七割をしめます。…