「全国和牛能力共進会」とは、5年に一度開催される和牛の品評会のこと。〝和牛のオリンピック〟とよばれ、各道府県が自慢のブランド牛をひっさげ、勝負に挑みます。
その2017年大会で、500を超える銘牛を抑え優勝したのが「鹿児島黒牛」。それまで芳しくない結果が続いていた鹿児島県は、くしくも黒毛和牛の生産量全国一位。県はその威信をかけ、あらゆる策を講じます。それは品質の向上はもちろんのこと、理想的な立ち姿勢や、大会の緊張感にも動じない、堂々とした歩行の〝調教〟にまでおよびます。
きめ細やかな霜降りと、まろやかで深みあるコクが特徴の黒牛。今回はほどよくサシの入った〝オオモモ〟のステーキを。オオモモとは、赤身であるウチモモの一部です。塊のままじっくり焼くことで旨味が増し、しっとりジューシーに焼き上がります。強い旨味とまろやかなコクがじつに美味な逸品です。
合わせるワインは《ドメーヌ・パラン/ラドワ・プルミエクリュ・ラ・コルヴェ2011》。口当たりはたいへん柔らかくも、黒牛に負けない、しっかりとした旨味が舌に染みわたります。ブルゴーニュの2011年は比較的はやく飲み頃をむかえるといわれており、鹿児島黒牛とも、まさにいまが最高のマリアージュ。
次回の大会は2022年。鹿児島県の連覇に期待しつつ、さらに進化した黒牛にどんなワインを合わせようかと、いまから胸を躍らせています🍷✨