ブルゴーニュの生産者は大きくふたつに分類されます。畑を所有し、ぶどう栽培からワインの出荷まですべてを担う「ドメーヌ」と、ワインやぶどうを購入して自社ワインとして販売する「ネゴシアン」です。
ネゴシアンのなかでも、ぶどうを購入し醸造から手掛ける生産者を「ネゴシアン・ヴィニフィカトゥール」と呼びます。ヴィニフィカトゥールとは〝醸造家〟という意味。ぶどうの品質に、並々ならぬこだわりをもっています。契約農家に対し、栽培や収穫方法、ひいては収穫日までこと細かく指導。他人の所有地であっても、かれらにとってそこは〝自社畑〟同様なのです。
ピュリニー・モンラッシェに居を構える《オリヴィエ・ルフレーブ》もそのひとつ。120ヘクタールの畑に相当するワインを生産しており、定期的な契約農家への訪問を欠かしません。今回は《シャサーニュ・モンラッシェ2014》をセレクト。イエローゴールドに輝き、ハチミツ、白桃、アプリコットなどの甘い芳香が支配しています。とろりとした濃密な果実味と力づよい余韻。「2016年から2022年が飲み頃」とはまさに言い得て妙です。濃厚なカルボナーラに合わせても負けなることなく、ベーコンの塩味とミネラルの旨味が調和。あと味にほのかに感じる清涼感が、粗挽きコショウの辛みと相まって、料理全体をひきしめてくれます。
オリヴィエ・ルフレーブは17ヘクタールの自社畑も所有する、ドメーヌ兼ネゴシアン。通常、〝ドメーヌもの〟と〝ネゴシアンもの〟の両方を生産する場合、ラベルのデザインを変えて区別するのが一般的です。しかしオリヴィエ・ルフレーブはそれを拒み、すべてのワインに同じラベルを貼付します。「たとえ購入したぶどうのワインでも、自社畑のものとなんら遜色ない」という自信のあらわれ。この誇り高き生産者のワインを、ぜひ一度お楽しみくださいね✨✨