ブルゴーニュの生産者は、「ネゴシアン」と「ドメーヌ」に分類されます。
ネゴシアンとは、畑を所有せず、ぶどう等を購入してワインをつくる生産者。対してドメーヌは、畑を所有し、自らが育てたぶどうでワインをつくります。なかには、ネゴシアンとドメーヌを兼ねる生産者もいます。
仲田晃司氏の《ルー・デュモン》がその一例。天地人と描かれたオレンジラベルは、ネゴシアンワインです。今回の《フィサン2013》は、空気のように澄んだ旨味とエレガントな酸が印象的。通常の力づよいフィサンとはひとあじ違った味わいです。芳醇なモリーユ茸、やさしい甘みのポルテサノポークにそっと寄り添いながら、料理に深みと奥ゆきを与えてくれます。
品質にこだわり、厳選した素材だけでワインをつくるネゴシアン。ぶどう栽培から出荷まで、一貫性あるワインづくりのドメーヌ。いづれも〝兄(けい)たり難く弟(てい)たり難し〟です。