「ルーミート」。カンガルーの肉を意味します。オーストラリアの大自然で生まれ育った、ジビエ(野生鳥獣)。脂肪分1~2%という驚異的な赤身、それでいて身質はとてもやわらか。
そんなルーミートには、ぜひ熟成のメドック・ワインを。(オー・)メドックといえば、格付けシャトーが居を連ねるカベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地。おなじボルドーのメルロー種に比べ、酸とタンニンで引き締まったワイン。それが熟成とともにまるみを帯び、極めてエレガントな風味に進化します。シャトー・ルデンヌの《ラ・クール・パヴィヨン1982》もしかり。〝あっさりしながらも濃厚〟なルーミートの味わいとよく合います。1670年設立の歴史あるこのシャトーは、1975年から2000年まで、ジンで有名な英国〝ジルビー家〟が所有していたことでも有名です。経年38年のワインは褪色はするも、香りは力づよく濃密なベリーやカカオ。時間とともに、なめし皮のような野生的な芳香も広がります。味わいは力づよさより、繊細さがまさる印象。ほんのすこし物足りなさも感じますが、それがルーミートと絶妙に調和し、洗練された赤身の旨さを上品に引き立てます。
オーストラリアはもちろん、欧州にも普及しているルーミート。野生のくさみはほんとどなく、噛むほどに甘みがあふれ、ジビエが苦手な人にもオススメです🍷🍴✨