シャンパーニュの味を決定づけるドザージュ。最終工程の〝補糖〟を意味します。瓶内二次発酵をおえたシャンパーニュは、「糖」がすべて「アルコール」と「二酸化炭素」に置き換わっている状態。甘味を補うことで極度の酸がやわらぎ、味全体のバランスが整います。
そんなドザージュをあえて行わないのがブリュット・ナチュール。強烈な酸味を呈する、極辛口のシャンパーニュです。きょうは《ドラピエ》を抜栓。数少ない、ピノ・ノワール100%の《ブリュット・ナチュール》です。エッジのきいた酸で、豊かな果実味がシャープに際立ちます。合わせた鮨は「うなぎ」。ピノ・ノワールの厚みとコクがうなぎの力づよい旨味を受けとめ、ブリュット・ナチュールならではの酸で濃厚なタレの甘味を引きしめます。
ブリュット・ナチュールに限らず、ドラピエのラインナップはすべてが低ドザージュ。同時抜栓の《カルト・ドール》もしかり。補糖はブリュット規定の最低量に抑えられ、ぶどう本来の酸が冴えわたります。こちらもピノ・ノワール主体のコク旨系。シャルドネ15%のミネラル感も相まって、淡泊な鮨ダネととりわけ好相性。「ハモ」や「キス」にひとつまみの塩を添えるかのように、上品な旨味をうちから引き出します。
ぶどうの質と技術力があらわになる、ブリュット・ナチュール。低ドザージュは、メゾンの〝自信のバロメーター〟ともいえそうです🥂✨