未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

〝にがうま〟なピノ・ムニエ100%

黒ぶどうだけでつくられた〝ブラン・ド・ノワール〟のシャンパーニュは、ピノ・ノワール100%、もしくはピノ・ノワールピノ・ムニエブレンドものが99%以上をしめます。そのなかで《ロジャー・バルニエ》は〝ピノ・ムニエ100%〟のシャンパーニュを手がける稀有なメゾンのひとつです。


黒ぶどう特有のコクとふくよかな果実味を合わせ持つのはもちろのこと、ピノ・ムニエならではの〝苦み〟がこのシャンパーニュの最大の魅力。そしてこの〝苦み〟の表現こそが、ピノ・ムニエ100%のむずかしさ、ともいえます。


ワインの苦みは「グレープフルーツ」や「レモンの皮」などとよく表現されますが、《ロジャー・バルニエ/ラ キュヴ ムニエ 100% 2012》の苦みは類のない突出した個性で、とても複雑な〝旨みをもたらす〟苦みなのです。


たとえるなら、青魚の〝腹わた〟でしょうか。独特のつよい苦味がありますが、さかなの旨みが凝縮された腹わたこそ青魚の真骨頂なのです。


そんなピノ・ムニエの個性を〝にがうま〟なコクで表現した《ラ キュヴェ ムニエ100%》 と、青魚であるイワシの炭火焼きはいうまでもなく相性抜群です。


ハツラツとした〝にがうま〟な酸が青魚特有のくさみを消し去るだけでなく、ふっくらジューシーに焼かれたイワシの香ばしさをよりはっきりと浮かび上がらせてくれるのです🐟🥂

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カレーにはどんなワインを合わせるべきか🍛

ワインと合わせるのがむずかしい料理、それはカレーです。それゆえ、ワイン仲間が集まると、よく「カレーにはどんなワインを合わせるべきか」談義に花が咲きます。


カレーの〝引き立て役〟としてレーズンが存在感を示すように、思いのほかカレーと甘口ワインとの相性はとてもいいのです。


わたしのお気に入りは《F.E.ショット/ヴュルツァー カビネット2013》


麦わら帽子の匂い、草原を連想させる青くさい香りが特徴です。まろやかでフルーティー、豊潤なミネラルのなかに、干しブドウのような天然の甘みが見え隠れします。


今回わたしが腕によりをかけてつくったのは、15種類のスパイスを使ったキーマカレー


《F.E.ショット/ヴュルツァー カビネット2013》の甘すぎない上品な甘さが、辛さを和らげるだけでなく、カレーの辛味とのメリハリが生まれて、食欲がいっそう増進するのです🍴✨

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刺身の盛り合わせには三品種均等のシャンパーニュ

白身には白シャンパーニュ、赤身にはロゼ・シャンパーニュ

刺身とシャンパーニュのわたし流の楽しみ方です。でも1本で楽しむなら、シャルドネピノ・ムニエピノ・ノワールが1/3ずつバランスよくブレンドされたシャンパーニュがオススメ。シャルドネ白身ピノ・ムニエは貝類、ピノ・ノワールは赤身とそれぞれ〝呼応〟するかのごとく、素材の旨みを最大限引き出してくれるからです。


その条件を満たすのが《ジョルジュ・ラコンブ/グラン・キュベ・ブリュット》。このシャンパーニュに含まれるのは、豊富なミネラルとエレガントな酸を感じるコート・デ・ブラン地区のシャルドネ、やわからな苦味が特徴のヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のピノ・ムニエ、ふくよかで力強いコクをもたらすモンターニュ・ド・ランス地区のピノ・ノワールの〝三強〟です。


つまり、シャルドネが淡泊な白身を引き立て、ピノ・ムニエが濃厚な貝の旨みに複雑みを与え、ピノ・ノワールが赤身をより上品な甘味へ変えてくれるのです。


どんな刺身とも相性のよい三品種均等のシャンパーニュ。オススメです👏

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のどで変化を楽しむ

世界最古のメゾンのひとつ《ツァリーヌ》。なかでも《キュヴェ・プレミアム・ブリュット》は、のどを〝通過する〟過程で、苦味が甘味に変換されるという不思議なシャンパーニュです。


それを実感できる一番の料理が、エスカルゴのオーブン焼き。《キュヴェ》と合わせると、口にふくんだときに感じる《キュヴェ》の苦みが、ガーリック風味をより際立たせ、のどを〝通過した〟後に変化するミルキーな甘みは、バター風味をよりいっそう深めてくれます。


《ツァリーヌ》はのどで変化を楽しむ、稀有なシャンパーニュ。ぜひ、バター風味のエスカルゴとともにお試しください🐌🥂✨

 

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熟成鮨にはロムモール

鮨にシャブリを合わせるのは、定番中の定番。でもこれが〝熟成鮨〟となると少し事情が変わるのです。


シャブリは基本的に冷涼感と爽快感が魅力のワインです。鮨と大変よく合います。熟成鮨はというと、旨みの凝縮感が特徴で、通常のシャブリとでは反発しあってうまくマリアージュしません。


そこでオススメなのが、同じシャブリでも一級畑の〝フルショーム〟。そしてさらに、その畑の中の〝ロムモール〟という限られた区画から造られるワインです。


ロムモールは南西向きに位置し、太陽の恵みがそのままブドウに反映された男性的なワインです。シャブリらしい生き生きとした酸と濃厚なミネラル感を、どっしり安定感のある果実味が支えてくれます。つまりシャブリ〝ロムモール〟なら熟成鮨の凝縮感をしっかり受け止めてくれるという訳です。


おすすめは《ドメーヌ・デ・アット/シャブリ 1erクリュ ロムモール’14》。際立つ酸・ミネラル・力強い果実味のコントラストが鮮明で、それらが時間とともに融合していくさまが何とも魅力的です🍣✨

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焼き牡蠣には熟成シャブリ

牡蠣(かき)には「シャブリ」。マリアージュの定番です。シャブリのフレッシュなミネラル感とエッジのきいた酸味が、牡蠣の旨味をひき立てるからです。しかし、焼き牡蠣(やきがき)となると、話は変わります。通常のフレッシュなシャブリでは、舌の上で素材とワインがうまくまとまらず、〝分離感〟を感じてしまうのが難点。


そこでオススメなのが、ドメーヌ・ド・オリヴェラ・ルセストの《シャブリ・プルミエクリュ・フルショーム2000》。とくに〝20年モノ〟のフルショームは別格です。


美しいゴールドカラーと、穀物酢にフルーツをつけこんだような甘酸っぱい熟成香。酸はまるみを帯び、とりわけまろやかな甘みとともにあらわれる、濃厚な〝とろみ感〟が、焼き牡蠣の濃厚な旨味をやさしくつつみ込み、強烈な〝一体感〟を感じさせてくれるのです。


焼き牡蠣には〝若い〟シャブリより、断然熟成シャブリ。みずみずしい磯の香りを楽しめる生牡蠣とは異なり、焼き牡蠣の魅力は、旨味の凝縮感と香ばしさにあるからです。機会があれば、ぜひ一度その魅惑のマリアージュをお試しくださいね。

 

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分単位で変化する驚異のシャンパーニュ🍊

柑橘系テイストの《ベルトラン・デレスピエール》。フルーツとの相性は抜群ですが、グラスに注ぐと、分単位で〝甘味〟から〝苦味〟へと味わいが変化することが特徴です。抜栓直後は、バリウムの発砲剤のように勢いある泡とともにはちみつレモンの芳香と、オレンジを想わせる心地よい甘み、やさしい酸が訪れます。


そのため最初のひとくちは、水ダコとオレンジのマリネを合せると、あと口に残るミントの香りがアクセントとなり、オレンジの風味とともに、淡泊な水ダコの旨みの輪郭がはっきりと感じらるようになります。


5分後には「甘苦」テイストとなり、苺とサーモンのカルパッチョを合わせると、苺の甘みは助長され、わずかな苦みがサーモンとのつなぎ役になります。

10分後には「苦甘」テイストとなり、ドライフルーツのコンポートを合わせると、シナモンやクローブなどのスパイスを利かせたかのような味わいを楽しめます。

最後には、〝グレープフルーツの皮の苦み〟まで変化し、生ハムとメロンに合わせることで、塩味・甘味・苦味のバランスがすばらしい一品へと昇華します。


刻々と変化を見せるさまは感動的。時間の経過とともに、さまざまな料理とのマリアージュを楽しむには《ベルトラン・デレスピエール》がオススメです🍾🍽

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