未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

苔庭で感じる、シャンパーニュ

お気に入りのRMのひとつ、«レテ・ヴォートラン/ブリュット204»。このシャンパーニュの特徴は、ごく微細な泡粒子の密度がたかく、わたしのシャンパーニュ史上五本の指に入る、リッチで芳醇な香りを放つことです。とくにウォッシュチーズや鮒(ふな)寿司を想わせる発酵香は、つい何度もかいでしまう〝美臭〟。


これに合わせていただきたいのが、新芽がめぶくこの季節の、雨上がりの苔庭(こけにわ)。むせ返るような湿気と青くささ、それと個性ゆたかなレテ・ヴォートランがみごな芳香ハーモニーを奏でます。

 

今回の料理はシェフのご配慮で、お皿からも青さがあふれる「山菜と春野菜のジャルディニエール」。

 

味わいはクリュッグとよく似ていて、その分厚さと力づよいコクが、濃厚なホタルイカフロマージュブランになめらかに絡みます。あと味にひろがるリンゴ酢のような爽やかさと、赤軸ほうれんそうの苦み、苔の青さからは、よりいっそう初夏を感じるマリアージュでした🌱🥂✨

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肉にはセカンド、魚にはファースト

格付け第3級を誇る《シャトー・カロン・セギュール》。とくに2013年前後のヴィンテージでコースを愉しむ際は、ファーストラベルを魚料理、セカンドラベルを肉料理に合わせることを推奨します。多くのシャトーものは、ファーストラベルは奥ゆきがあって複雑、セカンドラベルはピュアで軽快なのですが、若いカロンセギュールに限っては、これが逆転するからです。

 

「ファーストラベル」とは、そのシャトーを代表するフラッグシップワイン。最上級のぶどうから最高レベルの醸造により、至高のワインが生み出されます。それは、長期熟成に耐えるべく、濃厚な果実味とつよい酸を兼ね備えたものが一般的です。一方「セカンドラベル」とは、ファーストラベルに及ばなかったぶどうでつくられるもの。早飲みタイプが多く、かろやかな果実味が特徴です。

 

今回は2013年のファーストと、2014年のセカンドを同時抜栓。セカンドはホコリっぽさと湿っぽさが入り交じるなか、驚くほどの凝縮された果実味と厚みがおそってきます。まさに今が飲み頃で、鴨のロティ、牛蒡(ごぼう)のソースでもしっかりと受け止めてくれます。

 

一方、鰆(さわら)と合わせたファーストラベルは、洗練されたクリアな味わい。無駄を極限にまでそぎ落とした印象です。デキャンタしても、なかなか眠りから覚めてくれる気配がありません。そんなコンクリートのようにひんやりとした冷涼感が、淡泊な魚料理に合うのです。

 

「肉にはセカンド、魚にはファースト」。これぞ〝わたし流〟のカロンセギュールの楽しみ方です。実際にファーストとセカンドを飲み比べることで、そのシャトーの世界観に触れるだけでなく、あらたな楽しみ方が見つかりました🍷🍴

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ボロニアソーセージには、ハーブ香漂うシャンパーニュ🌿

ボロニアソーセージには、《ヴーヴ エリザベス》がオススメ。このシャンパーニュは、舌に残るほどの青みと「ルッコラ」のようなピリッとした独特の苦味が特徴です。これらがアクセントになって、ソーセージの風味が広がり、より一層おいしさが引き立ちます。


ソーセージをひとくち、続けてシャンパーニュをひとくちいただくと、ソーセージに練り込まれたうま味ある油脂に、《ヴーヴ エリザベス》のかすかに香るゴマ風味とさわやかなディル香が合わさることで、アフターに立体感がうまれ、奥行きのある芳醇な味わいを長く楽しむことができるのです。


このマリアージュは、やみつきになりそうです🥂🍾✨

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わたし流のヤムウンセン🦐

ワインビネガーとマスタードをベースに、少し甘みをきかせたフレンチドレッシングで春雨を和え、スパイシーな魚介をトッピングするのが、わたし流のヤムウンセン(春雨サラダ)。合わせたいのは、《ルイ・ジャド/シャブリ セリエ ド ラ サブリエール 2016》です。

 

エンダイブのような苦味と藻塩(もじお)を感じさせる〝海のミネラル感〟がこのシャブリの特徴です。ヤムウンセンに合わせると、魚介の旨みエキスを十二分にひきだしてくれ、スパイシーな味つけにコクと深みがうまれるだけでなく、春雨サラダ全体の味を整えてくれるのです🥗✨

 

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創作中華には、ドゥミ・セック🍴

創作中華は辛口より甘口シャンパーニュのほうが合うと私は思っています。なかでもドゥミ・セックがオススメ。ドゥミ・セックとは、中甘口のシャンパーニュのことです。中華全般にみられる甘辛いコクと、ドゥミ・セックのコクとが折り重なるように融合するからです。キリッとドライなものより、まろやかな甘みテイストの方が、山椒(さんしょ)や八角(はっかく)などのスパイス香も生きてきます。


ドゥミ・セックの甘みは、ドザージュ(補糖)によるものですが、これをぶどう本来の甘みではないかと錯覚させるのが《G.H.マム・ドゥミ・セック》。貴腐ワインのように、上質な甘みをひきたてるぶどうの酸味が絶妙なバランスで残存していて、中華とはひときわ好相性です。紹興酒に砂糖漬けの干し梅を入れるのと、通じるところがあります。


今回は京鴨よだれ鶏とのマリアージュ🦆《マム・ドゥミ・セック》の、焼きたてメープルワッフルのような芳香と、パリッと焼けた皮目の芳しさが、おおいに食欲をそそります。花椒(かしょう)みそのピリッとした甘辛さは、高級干しぶどうのようなマムの甘みと、しっとり肉汁に満ちた鴨の旨みとを繋ぎ合わせ、パクチーだれが、そのふたつの余韻をいつまでも、すがすがしく響かせてくれるのです🌱


さらにコンルドン・ルージュ・ブリュット(辛口)と比較しながらいただくと、よりいっそう中華マリアージュの奥深さを楽しめます🥂🍴✨

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海外ゲストのもてなし方🍷🍴

海外のゲストをもてなすとき、わたしはご本人が人生の転機となったヴィンテージワインをふるまいます。そこでサンフランシスコ在住の彼女には、就職した記念すべき年の《マーカムメルロー 2005》をご紹介。


’05年のヴィンテージは14年の歳月を感じさせない、濃い色調といきいきとしたアロマで、品質の高さは一目瞭然。カシス、ブラックベリー、プルーン、甘草、シナモン、黒こしょう...キノコや枯れ草などの熟成香もほのかに香ります。しっかり強めのタンニンなのに驚くほどのなめらかさと、こっくりとした甘みの果実味がマーカムメルローの特徴です。和牛ステーキに添えられた播磨の名産〝太子みそ〟と絶妙なマリアージュで、まるで朴葉味噌のように肉の味わいが豊かに膨らみます。


ナパ・バレーのメルローといえばマーカムといわれるほど、今では不動の地位を築いています。仕事においても、彼女にそんな素敵な存在になってほしいとの願いを込めてプレゼント。メルロープログラムの総括責任者、キンバーリー・ニコルズ氏からも「複雑さがあらわれてきた魅力的な2005をお楽しみください」とサプライズメッセージ。おかげさまで、美しいブルーアイがいっそう輝き、彼女も大喜びでした😊

 

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わが家で〝ギョウシャン〟パーティー🥟

〝ギョウシャン〟は、絶対ロゼ派。いうまでもなく〝ギョウシャン〟とは餃子にシャンパーニュを合わせることです。ニンニクやニラの代わりに、パクチーを使うのが、わたしの餃子のこだわり。肉の臭みを消して、旨みを引きだしてくれるだけでなく、独特の香草系の香りは《モエ・アンペリアル・ロゼ》の、バラのようなダマスク系の香りとよく合います。

 

香りの印象とは対照的に、躍動感あふれる赤紅色と、ラズベリーをぎゅっと圧搾(あっさく)したかのような酸と濃い旨みをもつモエ・ロゼ。餃子のタレをトマトベースにすることで、このシャンパーニュとの相性はさらによくなります🍅😋

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