未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

「おまかせ」の楽しみ方

日本人にはお馴染みの「おまかせ」。季節やその日の仕入れ状況から、大将が今日もっともおいしいと思う鮨ダネを握ってくれる、贅沢なコースです。日本特有の食文化ですが、いまでは海外の鮨屋でも“Omakase Sushis”が定着しています。

 

種類ゆたかな鮨ダネが、さまざまな味つけで供されるおまかせ鮨。可能であれば、シャンパーニュは味わいの〝強い〟ものと〝優しい〟もの、2本揃えることをお薦めします。トロのような濃厚な鮨ダネには強さのあるシャンパーニュ白身のようにあっさりとした味わいなら優しいシャンパーニュ、と鮨マリアージュ臨機応変にかなえてくれるからです。

 

強さと優しさ、そのコントラストがとりわけ際立つのが《ボアゼル》の2本。桃のコンポート、蜂蜜、生のパン生地を想わせる酵母香は《ブリュット・レゼルヴ》。炙った鱧の芳ばしさと凝縮された旨味を包み込む、深くて力づよい味わいです。一方、淡いサーモンピンクが美しい《ロゼ》。ピノ・ノワールからできた赤ワインが8%ブレンドされています。苺やフランボワーズといった赤い果実香と、埃や燻製を想わせるスモーキーな香りが絶妙に渦巻く。黒ぶどう主体でありつつ、フィネスを感じる繊細な味わいで、とろけるような生鱧をそっと優しく引き立てるのです。

 

「おまかせ」をひととおりいただいた後、〝炙り〟と〝生〟の鱧(はも)のように、異なる調理の同じ鮨ダネをリクエストするのがわたし流。〝強い〟シャンパーニュか、それとも〝優しい〟シャンパーニュか。食べ比べ、飲み比べをしているうちに、マリアージュの感度が磨かれること間違いなしです🥂✨

 

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猪肉には熟成ジュヴレ・シャンベルタン

日本のジビエ(野生の鳥獣)といえば、シカとイノシシ。シカは脂肪の少ないあっさりとした赤身であるのに対し、イノシシは濃厚な甘味をていする脂身が魅力。

 

そんなイノシシに熟成したブルゴーニュ・ルージュを合わせるのもおすすめです。乳酸発酵したような独特のコクが、肉の甘みを増幅させます。

 

今回は、奈良は吉野のイノシシと《ルイ・ジャド/ジュヴレ・シャンベルタン1996》。腐葉土、タバコ、なめし皮といった熟成香を放ちつつ、果実味や酸にはいまだ若さと力づよさを覚えます。ジビエならではの野性味にも負けず、とろける脂の甘味と融合します。

 

2018年より「国産ジビエ認証制度」がはじまっています。安心でおいしい日本の猪(しし)肉。ぜひワインとともにお楽しみください🍷🍴✨

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黒ぶどうの比率をあげる

とりわけ脂ののったサバ、いわゆる〝とろ鯖〟には黒ぶどう主体のシャンパーニュがよく合います。脂のノリでより濃厚に感じるサバの風味を、黒ぶどう特有のコクと厚みがうけとめてくれるからです。

 

なかでも、とろ鯖の「刺身」や「漬け」には黒ぶどう100%のブラン・ド・ノワールがおすすめ。《ディディエ・ショパン/マルキ・ド・ベル・エアー》もサバ本来の力づよさ、しょう油の芳醇さに負けることなく、素材の旨味をひきたてます。また「酢〆」や「燻製」であれば、すこしシャルドネブレンドされたシャンパーニュもよいでしょう。25%含有の《アルノー・ド・シューラン/ブリュット・レゼルヴ》は、シャルドネならではのエレガントな酸が酢と調和し、燻製にはスダチを絞ったかのように爽やかさを加味して、サバの風味を際立たせるのです。

 

「とろ鯖」や「とろ鰹」など、脂がのるとその魚種ならではの旨味も強まります。ぜひ、シャンパーニュの黒ぶどう比率をあげてお楽しみください🥂✨

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フリットとフィスラージュ

〝洋風天ぷら〟ともよばれるフリット。和食の天ぷらとの違いは、ふっくらモッチリとした揚げ衣です。天ぷらはグルテン(粘り)が出ないように小麦粉と水をさっと混ぜ、サクッとかるい揚げあがり。一方フリットは、小麦粉、卵、牛乳等をしっかり混ぜ合わせた衣。卵白はふわふわに泡立てて使用します。

 

そんなフリットには、コク旨系のシャンパーニュがおすすめ。存在感ある衣とバランスを保ち、素材の味を引き立てます。今回の《コント・ド・ダンピエール》は、ラインナップの一部で伝統的な「フィスラージュ」を続ける、類まれな生産者。フィスラージュとはコルクを針金ではなく、麻糸で十字に留める職人技です。NV(ノン・ヴィンテージ)では、日本向けにかぎり施されています。《キュヴェ・デ・ザンバサドゥール》のクロワッサンやローストアーモンドの香り、発酵バターのようなリッチで芳醇なコクが揚げ衣と調和し、たんぱくな穴子に深みを与えます。

 

相性抜群の揚げものとシャンパーニュ。〝衣〟の味わいに着目したシャンパーニュ選びもまた、おすすめです🥂✨

 

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〝うまい魚〟こそ鯵なり

「アジとは味なり。その美なり」と古書にもあるように、〝美味な魚〟が鯵(アジ)の語源の一説。種類が豊富なアジは、どの種も共通して強烈なうまみを呈します。

 

そんなアジをシャンパーニュとの相性を探りつつ、鮨で食べ比べるのも楽しいもの。おなじ造り手のシャンパーニュなら、銘柄が違っても基軸となる共通の風味が潜在しているので、マリアージュ比較におすすめです。

 

たとえば《キャティア》。広大な貯蔵庫で、長期熟成させるのが基本スタイル。すべての銘柄に落ち着いた旨みと安定感を覚えます。アジ特有の風味と、鯛のような上品さをあわせもつ銀河目アジなら《ブリュット・プルミエクリュ》。ほのかな甘みと均衡のとれた厚みで、上品な鮨ダネを一層エレガントに引き立てます。また、アジの象徴ともいえる真アジには《キュヴェ・ローザ》。柑橘系の分厚い果実味と、あとにつづく燻製味。この味の一変をきっかけに、アジ特有のおいしさがくちのなかで炸裂するかのように広がります。

ともに種類が豊富なアジとキャティア。〝美味なあじ〟がいっそう冴える組み合わせを探してみてくださいね🍣🥂✨

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ステーキの楽しみ方

「レア」「ミディアム」「ウェルダン」とは、牛ステーキの焼き加減をあらわしたもの。ウシは内臓等をのぞく〝肉〟の部分に寄生虫や菌がいないため、軽め~しっかりめまで、好みの火入れで楽しむことができます。

 

この、ステーキの焼き加減に合わせてワインを選んでみるのはいかがでしょう。たとえば、肉本来のおいしさを味わう「レア」には、渋みのやわからなドイツのピノ・ノワール、旨味たっぷりの肉汁あふれる「ミディアム」には、複雑で深みのあるフランスのピノ、しっかり焼けた芳ばしさと力づよさが魅力の「ウェルダン」には、樽香きわだつアメリカのピノ・ノワールを合わせます。

 

オーダー時に〝焼き方〟までリクエストできるのは、牛ならではの魅力。ぜひ、最適なワインとともに、美味なるステーキをご堪能ください🍴🍷✨

 

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いちばんのご馳走

〝感動〟の数と〝人生のゆたかさ〟は比例するように思います。事実、ひとが感動すると脳内には「ドーパミン」という、幸福感をもたらすホルモンが分泌されます。脳が活性化され、若返りにも繋がるホルモンです。

 

日々の食事に「おいしい」と感動する。
ときに、絶景とすばらしいワインに感激する。

 

「感動」こそ、人生の一番のご馳走なのかもしれません。

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