料理とワインの相性をつねに意識している方なら、「焼売」にはシャンパーニュや白ワインが合う、と直感で思う方も多いはず。ところが、焼売と〝赤ワイン〟も意外とよく合う組み合わせです。
なかでもおすすめは、熟成ボルドー。カベルネのエレガントな熟成味と、タマネギの甘味でまろやかになった豚の旨味は抜群の相性です。今夜の《カントナック・ブラウン1984》もその一例。コーヒーのような色調にまで褪色(たいしょく)するも、味わいはきわめて健全。強靱なタンニンがみごとに〝経年優化〟しています。それはまるで湧水かのごとく、なめらか。舌のうえをしずかに流れるように、自身は控えめに、主役の料理をひきたてます。格付け三級たるものの、品格あふれるマリアージュ。
「焼売」は泡でも白でも赤でもいける、万能料理。食欲をかき立ててくれるシャンパーニュ、皮と餡(あん)の甘味がひきたつ白、肉の旨味をじっくり味わいたいなら赤。目的や期待する効果によってセレクトするのも、ワインの楽しみ方のひとつです🍴✨