今や山梨県と並んで、長野県は日本を代表するワインの産地として有名になりました。両県の違いはぶどうの品種です。“甲州”などの日本の固有品種を主に栽培している山梨県産にくらべて、シャルドネやメルローなど、欧州系品種のぶどうを多く栽培しているのが長野県産ワインの特徴といえます。いずれも、ここ数年間でその品質と味わいは著しく向上し、広く国内外のワイン愛好家からも注目をあつめています。
しかしながら、フランスワインにくらべると、香りや風味における複雑さや奥深さ、熟成のポテンシャルなど、日本のワインはまだその途上にあると個人的には思います。しかしそれは同時に、これからの可能性を秘めているともいえます。
ワインとは、土壌と気候、ぶどうの種類と栽培方法、そして造り手の技術と哲学が一体となって生み出される芸術品。それはワインづくりに対する深い理解と、土地との長いつきあいが求められることを意味します。日本人特有の欧州に対するキャッチアップ思考と実践が、さらなるワインの可能性を引き出し、世界が驚きの声をあげるその日を心から待ち望んでいます✨
