《シャトー・デュクリュ・ボーカイユ1982》。なぜ、ワイン愛好家やコレクターたちはこの特別なヴィンテージワインに敬意を払い、その魅力に心酔し続けるのでしょうか。
抜栓直後に部屋中にひろがる豊かな香り、時間の経過とともに深まるその味わい、刻々と複雑さが増していきます。大きなボウルのグラスに注がれた一滴を口に含んだとき、“想像を超越したおいしさ”が口いっぱいに広がり、静かな幸福感につつまれます。シルキーなみずみずしさと複雑で力強いタンニンのアンバランスな融合におどろきながら、心地よい余韻がいつまでも続くのです。
《シャトー・デュクリュ・ボーカイユ1982》は、単なるアルコール飲料を超えた価値が存在します。その価値とは希少性だけではなく、体験を通じて得られる“魂が揺さぶられるような感動”にあるのです。オークションやコレクターの間で熱狂的な争奪戦が繰りひろげられるのも、その感動体験を得るためといっても過言ではないでしょう。
“モノからコト”へ変化したといわれて久しい消費者行動。これは、モノを所有する喜びから、体験そのものに価値を見出す流れを意味します。まさに、ヴィンテージワインの醍醐味そのものなのでしょうね。
