未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

イタリアワインとフランスワインの違い

ワイングラスを傾け、まずは香りと色が暗示するテロワールを楽しみます。フランスワインは、繊細で気品に満ちたテロワールが食とのマリアージュの可能性に胸がときめきます。一方、イタリアワインは、太陽の恵みを受けたテロワールが放つ豊かな個性と自立性により、単体でも楽しめることを教えてくれます。

この二つのワインの世界は、一見対照的でありながら、その違いが交錯する極上の逸品が存在します。その名も、《カンポ アル マーレ バイア アル ヴェント 2009》。このワインは、マルベックに匹敵するような濃厚な色調と、果実の甘さ、黒胡椒のスパイス、さらにはテロワールからくる力強さが融合しています。

とくに印象的なのは、牧草で育てられた鹿児島県産黒毛和牛のステーキと組み合わせると、このトスカーナ産ワインの真のポテンシャルが“開花”する点です。和牛の甘い脂とワインの力強いタンニンが絶妙に呼応し、まるで新たな風味の“楽章”を創出するかのようです。

テロワールとはひと言でいえば、ワインに独自の価値を与えるその土地の環境や風土を指します。気候、土壌、標高といった地理的・環境的な要素が複雑に組み合わさり、ワインに独自の風味や個性をもたらします。イタリアワインはひとりの独奏者のように、そのメロディは直感的で豊かであり、個々の力で聴衆を魅了します。それに対して、フランスワインはオーケストラ全体が織りなす壮大な協奏曲にたとえられます。各楽器は単独では完結しないが、全体としてみると壮麗な調和と美を創造するからです。ワインと食のマリアージュを楽しむには、それぞれの国や地域のテロワールを深く理解し、その精緻な個性に敬意を払うことが大切だとわたしは思っています。 
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