フランスの郷土料理こそ「ビストロ」の醍醐味。郷土料理とは、ある一定の地域で古くから親しまれてきた伝統料理のこと。レストランで供されるような豪華な料理とはことなり、地元の食材を使った、どちらかといえば家庭的な料理です。
そんな郷土料理をオーダーする際、おさえておきたいのが、その料理がどこの地域で根ざし継承されてきたのかという〝産地感〟。そしてもし、料理とおなじ産地のワインがあれば、あわせてオーダーすることをおすすめします。その相性のよさにきっと驚くはずです。
こんやはブルゴーニュを代表する郷土料理、「ブッフ・ブルギニョン」。牛肉をブルゴーニュの赤ワインとともに煮こむ、シチュー料理です。合わせるワインは〝ブルゴーニュ産〟の《ペロ・ミノ/ジュヴレ・シャンベルタン2012》。第一印象はみずみずしくフルーティーで、親しみやすい〝女性的〟な味わい。ところがその奥行きははかり知れず、深海のごとくひろがる濃厚な世界へと引き込まれてしまいます。それは寡黙でありつつ、底知れぬ力づよさを秘めたじつに〝紳士的〟なワイン。ワインの表現で多用される「男性的」の真意を、体現しているかのような一本です。深みあるデミグラスソースとほろほろとくずれる繊細なお肉を、包み込むかのようにそっとやさしくひきたててくれます。
料理とおなじ産地のワインをオーダーするとは、「料理とおなじテロワールのワインを合わせる」ということ。この〝タッグ〟こそ、最高のマリアージュです🍴✨