未知なるマリアージュの世界へようこそ!

私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

ブッラータ・チーズに合うシャンパーニュ

生クリームと刻んだモッツァレラを、袋状のモッツァレラで包んだ「ブッラータ・チーズ」。レアチーズケーキにレモン果汁が欠かせないように、フレッシュな乳風味のブッラータと、さわやかな柑橘系のシャンパーニュはとてもよく合います。

 

なかでも、個性的な柑橘風味の《ガルデ》がおすすめ。前掲のブリュット・トラディシオンは〝作りたてのハチミツレモン〟を彷彿させる酸、今回の《プルミエクリュ・ブラン・ド・ノワール》は〝シロップ漬けのグレープフルーツ〟を想わせる苦味が特徴的。ともに、チーズ全体の味がひきしまり、濃厚な乳風味が一層ゆたかに感じられます。

 

チーズには、ブッラータのような「非熟成タイプ」と、カマンベールのような「熟成タイプ」があります。非熟成タイプは新鮮な乳風味が特徴。対して熟成タイプは、表面にカビを繁殖させることで、独特の風味が生まれ旨味の濃いチーズとなります。合わせるシャンパーニュは、非熟成タイプは柑橘系、熟成タイプはコク旨系と覚えてくださいね🥂✨

 

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肉の塊の喰らい方

メニューに「肉の塊」をみつけると、おもわず注文してしまうわたし。塊調理では、肉汁が中にとじこめられるので、旨みが逃げません。きょうは、わたしなりの「肉の塊の喰らい方」をご紹介します。

 

【その一】焼き方はレア
とりわけ分厚い肉の場合、火が入るほど固くなりがちです。その点レアだと、肉そのものの味が楽しめるうえに、やわらかさとジューシーさの両方を味わえます。

 

【その二】野菜はあとで
ナイフをいれるその瞬間が、おいしさのピーク。わずかとはいえ、皿のうえでも加熱が進行します。冷めてしまうなど言語道断。つけ合わせの野菜は、肉を完食してからいただきます。

【その三】凝縮感とエレガンスを兼ね備えたワインと楽しむ


肉の旨みに負けない、凝縮感。それでいて「主役は肉」とわきまえた、上品かつエレガントなワインが最適です。いうなれば、熟成したラドワのようなワインです。

 

なかでも、《カシャ・オキダン》はオススメ。ぶどう農家から転じ、いまでは醸造・瓶詰め・出荷、すべてを担うドメーヌです。はなやかに木苺かおる《ラドワ・レ・マンドンヌ2006》は、15年の歳月を微塵も感じさせない、濃厚な色と果実味。「イチボ肉」の塊を支えるようにより添い、エレガントな酸が余韻ながく、肉の旨味をひきたてます。

 

巷では「肉の塊はダイエットに効果的」という流言も。そんなことを自分にいい聞かせながら、今夜もつい食べ過ぎてしまいます🍴🍷✨

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NVとヴィンテージ・シャンパーニュ

シャンパーニュには、「ノン・ヴィンテージ(NV)」と「ヴィンテージ」が存在します。毎年生産されるNVは、均質化のために複数年のワインがブレンドされます。熟成期間が比較的みじかく、フレッシュな味わい。対して、秀作年にのみ生産されるのがヴィンテージ・シャンパーニュ。その年のワインだけを使用し、NVよりながく熟成させるのが一般的。旨味の濃いシャンパーニュとなります。とくに「おいしい」と感じるNVがあれば、ぜひ、おなじ生産者のヴィンテージ・シャンパーニュもお試しください。

 

わたしと《アンリ・ビリオ》も、NVとの出会いがきっかけ。グランクリュ・アンボネ村に居を構え、ぶどう栽培から出荷までを家族でおこなう小規模生産者です。年間生産量わずか32,000本。丹精こめてつくられた《キュヴェ・トラディシオンNV》は、生き生きとした泡があふれます。溌剌とした柑橘香に、レモンをかじったようなフレッシュな酸。アジの鮨を合わせると、添えられた大葉とともに、さわやかに魚の風味を堪能できます。一方、繊細な泡が立ちのぼる《キュヴェ・ミレジメ2013》。焼き立てのパンドミー香が広がります。丸みを帯びたやさしい酸に、アンボネ産ピノ・ノワールの厚みとコクがきわだつ一本。濃厚な脂のイワシと相性がよく、薬味のしょうがも相まって、より力づよい旨味がひきたちます。

 

おなじ造り手の、ことなるワインを比較する。造り手の個性や畑の特徴がよくわかるので、オススメです🥂✨

 

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料理とシャンパーニュをつなぐ〝触媒〟

〝ポテサラ〟こと、ポテトサラダ。大人から子どもまで、ひろく愛される国民食です。このポテサラにあるものを加えると、シャンパーニュとの相性が格段よくなります。それはずばり、「燻製たまご」。芳ばしい燻製香とシャンパーニュの相性はいうにおよばず、コクある黄身が潤滑剤のように、料理とシャンパーニュをつなぐ〝触媒〟となるのです。

 

わたしのおすすめは、まろやかに経年変化した熟成シャンパーニュ。ブラン・ド・ブランの《シャトー・ド・ブリニー1996》は最たる一本です。絶妙なまろみが、じゃがいもの甘味とたまごのコクに調和。シャルドネ由来の繊細なフィネスが燻製味をひきたてます。くわえて、上品な酸と甘味が果てなくつづき、料理の余韻をも楽しませてくれるのです。

 

「燻製しょう油」や「燻製オリーブオイル」など、燻製の調味料は、料理とワインをつなぐ触媒のような働きをします。普段の料理にひとふり。ぜひお試しください🍴✨

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鮨屋のレベルがわかるひとさら

「刺身の盛り合わせ」。このひとさらで、鮨屋のレベルがわかります。

 

今回は、新鮮な「生しらす」をいただける鮨店。足がはやいカタクチイワシは、釜あげしらすや、ちりめんじゃことして流通するのが一般的です。稀少な〝生〟は、もっちりとした食感で絶妙な〝苦味〟が特徴。シャンパーニュの苦味とよくあいます。なかでも、抜栓から終始一貫した力づよさの《バロン・ド・ロスチャイルド》は、イワシに負けない旨味で特にオススメ。同時抜栓の《ロゼ》は、力づよさに加え赤の果実感。甘エビのような〝甘味〟のある魚とより好相性です。

 

わたしは握ってもらう前に必ず「刺身の盛り合あわせ」を注文します。食材の鮮度はもちろんのこと、魚種と薬味の説明、盛り付け方法などからも、大将のこだわりが垣間みえるからです。刺身を食しながら、今夜の〝鮨シャン〟を思案する。これもまた、至福のひとときです🥂✨

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ワインのシンメトリー効果

複数のグラスにワインを同量ずつ注ぐ。素人には至難のわざです。熟練したソムリエがスマートに注ぐ姿は、見る者の目を奪います。

 

今回、端正に揃ったグラスでいただくのは《マーテル・アスランジェ》。1869年創業の老舗メゾン、G.H.マーテルがてがけます。ピノ・ノワールシャルドネピノ・ムニエが混合された白とロゼ。3年以上の瓶内熟成に、リザーヴワイン20%。ノン・ヴィンテージとは思えないリッチな味わいです。さらにブリュット(辛口)のなかでもたかめの残糖量(10g/l)で、ふんわりとした優しい印象。シャリが甘めの、関西の鮨にはぴったり。とりわけ、洋ナシや完熟リンゴを想わせる白。甘味のある「生ホタテ」とよくあいます。対して、イチゴをかじったようなロゼには「トロ」。この時季、脂があっさりとした長崎産天然マグロの、上品な旨味をひきたてます。

 

ひとは左右対称のものに、美しさや安心感などの好感を抱くもの。グラスに注がれたワインも、この〝シンメトリー効果〟でさらにおいしく感じます🥂✨

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美しく歳を重ねる

「ピュリニー・モンラッシェ」と「ムルソー」村。いわずと知れた、白ワインの銘醸地。一般的にやわらかくエレガントなピュリニー・モンラッシェは〝女性的〟、力づよく骨太な印象のムルソーは〝男性的〟と表現されます。

 

その趣(おもむき)は、経年35年の両者にも。ブルゴーニュ屈指の老舗メーカー《ルイ・ラトゥール》がそれを物語ります。《ピュリニー・モンラッシェ1986》はすこし濁りのあるアンバーカラーに、熟成梅酒のような酸と甘みを想わせる繊細香。味わいにおける酸もきわめて繊細。一本の絹糸がのびるかのように、余韻ながくつづきます。ジューシーな「鴨ロース」の旨味をも、けん引するかのごとく。対して《ムルソー1986》。色合いは前者とほぼおなじでも、香りと味に個性がひかります。シェリー酒のアモンティリャードを想わせる芳醇な香りと、こうばしい苦味。丸みを感じるものの、いまだ堂々たる味わい。こちらは、鴨ロースをリンゴソースでいただきます。ソースとワイン双方の甘みで、鴨肉は一層深みを増すのです。

 

ひとも年をとると内面がにじみでるもの。ワインが経年変化するように、わたしも美しく歳を重ねたいものです🍷

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