日本で〝パイ〟というと、アップルパイや洋梨のタルトなどの甘いお菓子が一般的です。
もちろんフランスでも、このようなお菓子はありますが、一方で「〇〇のパイ包み焼き」や「キッシュ・ロレーヌ」といった、甘くない生地をお料理に使うことも仏食文化のひとつといえます。
日本のスーパーで目にするのは、もっぱらお菓子用の冷凍パイシートですが、フランスではお菓子用と(甘くない)料理用の両方が売られています。家庭料理としても浸透していることがうかがえますね。
私は、《シャルル・ミニョン》のシャンパーニュをいただくたびに、いつもパイを欲してしまいます。
それは、上質なシャンパーニュにはよくあるバターと芳ばしいロースト香に加えて、心が奪われるような美しいイエローカラーの《ブリュット グラン トラディシヨン》には、焙煎された小麦胚芽のニュアスンを、香りと味わい、双方から感じるからです。
事前にシェフにお願いして、今回ご用意くださったお料理は『河内鴨のパテ・アン・クルート』と『チーズ(マリボー&グラナパダーノ)のキッシュ』。
パテ・アン・クルートは冷製で、生地はしっとり、もっちりとした質感です。小麦&バターの濃厚な風味が、シャンパーニュの発酵バターの香りでよりリッチな味わいに。河内鴨というのは野生ではないのでが、しっかりと味ののったブランド鶏で、上質の小麦のうまみを感じるパイ&《シャルル・ミニョン》に包まれることにより、気品あふれるお料理へと格段アップしました。
キッシュは温製でさくさくの生地。シャンパーニュの芳ばしさととてもよく合います。マリボーもグラナパダーノも、やさしい味のチーズなのですが、《シャルル・ミニョン》の焙煎味とほどよい渋みが混ざることで、コクと複雑みが増し、リッチなパイ生地と、さらなる一体感がうまれました。
このシャンパーニュの現行品は 「ブリュット プレミアム レゼルヴ」なのですが、セパージュが異なるため、稀少な《ブリュット グラン トラディシヨン》を見かけた際は、ぜひ、おいしいパイとともにご賞味くださいね😉❗️