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NVシャンパーニュの〝粋な〟楽しみ方 その5

〝マニアック〟かもしれませんが、NVシャンパーニュの新旧エチケットを飲み比べるのがわたしのお気に入り。早期に楽しむことが一般的なNVシャンパーニュ。メゾンをも想定できない、すばらしい熟成ボトルに出会うことがあります。

 

いうまでもなく、世に流通しているNVシャンパーニュは、生産年を特定するのが困難。しかし《ブルーノ・パイヤール》のNVは、容易に知ることができます。なぜならブルーノ・パイヤールは、NVをふくむすべてのボトルにデゴルジュマンを施した年月を記載しているからです。デゴルジュマンとは「澱(おり)引き」。瓶内二次発酵をおえたボトル内に浮遊する、酵母の残骸(=澱)をとりのぞく工程です。その後、数ヶ月カーヴで休ませ出荷となります。

 

今夜の《ブリュット・プルミエール・キュヴェ》がそのNV。黄金色にかがやく旧エチケット品は、2008年1月デゴルジュマン。きわめて微細な泡に、黒もろみ酢のような複雑な香り。熟成由来のエレガントな酸と、デーツシロップのような上品な甘味が融合しています。〝芳醇〟とは、まさにこのこと。鮨の「昆布じめ熟成鯛」と合わないはずがありません。対して、あわい黄色の現行品は2015年12月デゴルジュマン。勢いのある泡、芳ばしいクロワッサン香。力づよい旨味のあとを、絶妙にまろやかになった酸が追いかけます。鮨の「車海老」とみごとに調和。濃厚な海老の甘味がきわだちます。

 

メゾンの当主「ブルーノ・パイヤール」氏は、ラインナップすべてのボトルにデゴルジュマン年月(日)を記載した第一人者。彼にならい、NVにまでデゴルジュマンを標記する生産者が徐々に増加しています。もしかすると〝早期に楽しむべき〟というNVシャンパーニュの概念が、変わりつつあるのかもしれません🥂✨

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