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私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

イベリコ豚とコルグガシ

みなさまもご承知のとおり、「イベリコ豚」はスペイン西部に生息し、〝どんぐり〟を食べて育つことで知られています。なかでも、今夜いただく「レアル・ベジョータ」は、イベリコ豚全体のわずか2%という、大変稀少な種。1キロ四方で最大2頭、樹齢200年以上のどんぐり等、生育環境や肥育飼料がきびしく定められています。

 


そんなレアル・ベジョータの生ハムが「ハモンイベリコ・レアルベジョータ」。これまで食してきた生ハムとは、一線を画す実に秀逸な味わいです。スモーク香の奥に秘める、まさに〝どんぐり〟を彷彿とさせる甘く芳ばしい香り。肉の旨味と脂の甘味が、渦を描くように融合し、口中の味覚細胞にじわりと染み入ります。身質のやわらかい「燻製ロース」は、噛まずともとろけてしまう逸品。「ジーパー・キュヴェ・グラン・アッサンブラージュ」を口にふくむと、トロピカルな甘味と酸味が、まるでレアル・ベジョータと戯れているかのように、わたしを楽しませてくれるのです。

 


「世界一の生ハム」と称されるレアル・ベジョータ。その源泉ともいえるどんぐりは、「コルグガシ」の木の実です。このコルクガシは〝ワインコルク〟の原料でもあります。合成樹脂のコルクとはことなり、天然素材のコルクは木を伐採して生産されると思っている人も少なくないのではないでしょうか。しかし実際は、コルクガシの〝樹皮〟が原料であり、剝がされた樹皮は数年で再生します。つまり、レアル・ベジョータもワインのコルクも、持続可能な天然の産物といえます。

 


イベリコ豚とコルクガシが持つこのサステナブルな関係は、自然との調和の大切さを教えてくれているようです。食材とワインづくりには、自然と人間の共生があり、その一端を知ることで、よりいっそう感謝の気持ちが湧いてきます。

 

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