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デゴルジュマンに注目して、垂直テイスティング

ワインの楽しみ方はいろいろあります。たとえば、シャンパーニュの垂直比較。垂直比較とは、異なる「収穫年」のワインを比較して楽しむことをいいます。さらに収穫年に加え、「デゴルジュマンからどれだけ年月がたっているか」に注目するという楽しみ方もあります。デゴルジュマンとは、オリを取りのぞく作業のことを意味しますが、瓶のなかでは、デゴルジュマン前はオリとともに、デゴルジュマン後は純粋にワインのみの経年変化が起こります。同じ瓶内熟成とはいえ、ワインに与える影響は大きくことなります。そのためデゴルジュマンの日付をそろえた垂直比較であれば、より深く両者を考察することができます。

今夜はミッシェル・ジュネの2013年と2016年を垂直比較。ミッシェル・ジュネは、通常のヴィンテージに加えて、秀作年にのみプレスティージュ・キュヴェを生産しています。それが「オーサー2013」であり、スタンダード・ヴィンテージ「2016」よりも熟成期間が長く設定されています。そのため〝デゴルジュマンのタイミングがほぼ同じ垂直比較〟が可能となるのです。「オーサー2013」は2022年の11月、「MG BB ヴィンテージ2016」は同年10月にデゴルジュマンされたボトルです。

「オーサー2013」は色あいからも、果実の凝縮感、長期熟成による豊潤さが一目瞭然です。その外観に偽りはなく、豊かな酵母の風味に、苦み、渋み、甘み、酸味の複雑味が絶妙なバランスで混在しています。一方、「MG BB ヴィンテージ2016」は厚みのある旨味を有しつつも、ノン・ドサージュと錯覚するようなエッジのきいた酸があらわれ、心地よい余韻がいつまでも続きます。

デゴルジュマンに注目して、垂直テイスティングを楽しむというのもワインの醍醐味のひとつです。このプロセスのタイミングが、シャンパーニュの最終的な品質や風味に大きな影響をあたえることを理解することで、よりいっそうその魅力を深く味わうことができるでしょう。デゴルジュマンの時期を意識したテイスティングは、シャンパーニュの本質を探るかぎともいえるのです。

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