「マルチヴィンテージ」とは、ヴィンテージのことなるワインをブレンドしてつくるシャンパーニュ。このブレンドのことを、“アッサンブラージュ”といいます。
そのマルチヴィンテージというカテゴリーのなかで、《ルイ・ロデレール》がうちだした新機軸が「ワン・ヴィンテージ・フォーカス」。最新のぶどうの収穫年に焦点をあて、その年の“個性”をきわだたせたブレンド・シャンパーニュです。2020年以降リリースされている《コレクション・シリーズ》がこれに該当します。
そのなかから、こんやは《コレクション・242》をセレクト。242とは、〝242回目の収穫〟を意味します。2017年のベースワインを中心に、2009、2011、2013、2014、2015、2016のヴィンテージワインを配合。一見、透明感のある淡いイエローゴールドで、フレッシュ感を思わせます。ところが、香りは埃っぽい瓦礫を彷彿とさせる経年香。味わいも、繊細なシャルドネのフィネスを、深みある熟成味がつつみこむかのようです。飲みくらべると《ブリュット・プルミエ》が、これまで以上に端正な味わいに感じられるから不思議です。
味・香り・色などの“同質性”が売りのNVに対し、マルチヴィンテージは法律上はNVに属するものの、その年の“個性”をいかす点がことなります。一方、ヴィンテージ・シャンパーニュは、素材のよさをそのまま生かすワインづくり。対して、マルチヴィンテージは、複数ヴィンテージをアッサンブラージュすることで、素材のポテンシャルをより一層きわだたせることができるのです。
NVとも、ヴィンテージとも一線を画す「マルチヴィンテージ」。ルイ・ロデレールやジャクソンのように、シャンパーニュの楽しみ方の選択肢をひろげてくれるメゾンがつづくことを願っています🥂✨