家族や友人に紹介したくなるような、居心地の良い店とはどのようなお店でしょうか？
わたしはその店が醸し出す雰囲気だと思っています。元気になったり、やさしい気持ちになれたり、いつまでもその場にい続けたくなるような雰囲気。
では、その雰囲気とは、どこからつくりだされるのでしょうか。店舗デザインでしょうか。店内の内装でしょうか。照明でしょうか。料理の器でしょうか。それとも清潔感でしょうか。わたしは、その店で働くスタッフからにじみでてくるものだと思っています。
気持ちの良い挨拶、テキパキとした言動、気配り、目配り、心配り。そんなスタッフがいる店こそ、わたしが周囲に紹介したくなるような、居心地の良い店となります。
居心地の良い店にはある共通点があります。それは、スタッフ同士が良好な関係性を築けていることです。ただし、それは単に仲が良いというわけではありません。お互いが切磋琢磨し、相互研鑽し、役割を担って、チームとして行動できている点です。助け合い、励まし合い、良い店を目指そうとするビジョンを共有していることです。
そんなオススメ店が、今夜の鮨屋です。スタッフ全員が大きく張りのある声で「いらっしゃい！」。店全体に活力がみなぎっています。わたしの大好きなシャンパーニュ「テタンジェ」をいただきながら、オープンキッチンではたらく厨房とホールの連携が見事なスタッフの動きを眺めています。居心地のよい店とは、どうやら〝ハコモノ〟ではなく〝ヒト〟が鍵をにぎっているようです。
