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私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

シャンパーニュとスパークリングワインの違い

スパークリングワインとは、世界各国の発泡ワインのこと。泡は、瓶内二次発酵やタンク内二次発酵、炭酸ガスの注入などで発生します。なかでもフランスのシャンパーニュ地方でつくられるのが〝シャンパーニュ〟。伝統的製法の瓶内二次発酵でつくられ、このうえなく細やかな泡を有します。

 

今回は、《ルクレール・ポワン・ティヤール》という生産者のシャンパーニュを、赤貝の鮨とともに。シャンパーニュ地方・モンターニュドランス地区にて、四代つづくR.M.です。淡いイエローゴールドの輝きは《プルミエクリュ・ブリュト・セレクション》。注ぐやいなや、とけこんでいた泡が勢いよくあふれます。あまい柑橘とやわらなか酵母香が、赤貝のさわやなか磯の香りと調和。ピノ・ノワールの厚みあるコクが貝の旨味をつよめ、わずかに含まれるシャルドネが食材の鮮度をひきたてます。

 

シャンパーニュは瓶内二次発酵ののち、NVは15ヶ月以上、ヴィンテージは36ヶ月以上の「瓶内熟成」をおこないます。この間に、働きをおえた酵母(澱)がワインに独特の風味を付与するのです。手間ひまかけてつくられるシャンパーニュ。味わいだけでなく、泡のきめ細かさも格別です🥂✨

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キンメリジャンの〝伝道師〟

「モンターニュ・ド・ランス」「ヴァレ・ド・ラ・マルヌ」「コート・デ・ブラン」とならび、シャンパーニュの主要な栽培地である「コート・デ・バール」地区。その特徴はなんといっても地層。他の地区にみられる白亜紀のチョーク層ではなく、ジュラ紀のキンメリジャン地層が個性ゆたかなシャンパーニュの根源です。いわずもがな、キンメリジャンはブルゴーニュ「シャブリ」の代名詞。この地のシャンパーニュもシャブリ同様、独特のミネラル感とフレッシュな果実味を呈します。

 

コート・デ・バールにて、1642年創業の《ムタール》も例外ではありません。今回の《ブリュット・グラン・キュヴェ》はピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワール。きりっとしたミネラル感と溌剌とした酸で、対極のブラン・ド・ブランと錯覚してしまうほど。力づよく厚みある味わいが、「うなぎ」の濃厚な脂と見事に調和します。また、同時抜栓の《プレスティージュ・ブリュット》はシャルドネが50%ブレンドされ、洗練された繊細さが垣間みれる一本。「真鯛」の上品でやさしい旨味と相性抜群。

 

ムタールはシャンパーニュのほか、ブルゴーニュワインも手掛ける稀有なつくり手。なかでも主力は「シャブリ」。キンメリジャンの〝伝道師〟が手掛けるシャンパーニュを、ぜひ一度お試しくださいね🥂✨

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「バック・エチケット」が意味するもの

収穫年ごとの個性をたのしむヴィンテージ・シャンパーニュ。対して、毎年ぶれない安定した味わいが魅力のノン・ヴィンテージ(NV)。しかし、いつもと印象のことなるNVに遭遇したことはないでしょうか。それは「出荷後どれだけ時間が経過しているか」が影響したのかもしれません。

 

賞味期限のないワインに「製造年月日」の記載義務はなし。ところが、なかには「デゴルジュマン」を行った年月(日)をボトルに記載しているつくり手がいます。デゴルジュマンとは〝澱引き〟。瓶内二次発酵をおえた酵母の残骸を取り除く、シャンパーニュの最終工程です。こんやの《ロジェ・クーロン》と《フレデリック・マルトレ》がそれに該当します。

 

前者の《プルミエクリュ・ロメ》は、2017年1月にデゴルジュマン。淡いレモンイエローに、勢いよく立ち昇る泡。こんがり焼けたトーストのように、ゆたかな酵母とこうばしい焦げ香がひろがります。分厚く力づよい味わいは濃厚な「大トロ」にも負けず、脂の甘味を助長。一方フレデリック・マルトレは、同年2月28日付《プルミエクリュ・ブリュット・レゼルヴ》を抜栓。色、泡の勢いはロジェ・クーロンとほぼ等しく、香りにはより熟成感を覚えます。カマンベールを想わせる発酵香に、栗の花のようなかぐわしい芳香。味わいは柑橘系のエレガントな酸が魅了的。「ホタテ」鮨に合わせると、まったりしたやさしい甘味が引き立ちます。

 

両者はデゴルジュマンの日付のほか、品種割合や1リットルあたりの残糖量等もバック・エチケットに記載。〝秘密のベール〟でブランド価値を高める生産者も多いなか、積極的な情報公開は〝顧客ファースト〟の姿勢の現われといえるのではないでしょうか🍾

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「コート・ド・セザンヌ」のシャルドネ

シャンパーニュシャルドネといえば「コート・デ・ブラン」地区。シャルドネに適した白亜質土壌がひろがります。そしてもうひとつ忘れてはならないのが、おなじく白亜質の「コート・ド・セザンヌ」地区。コート・デ・ブランの南西およそ15キロに位置し、豊富なミネラルとコクあるシャルドネを生みだします。

 

今回の《ル・ブロン・ド・ヌヴィル》は、コート・ド・セザンヌ地区の共同組合が手掛けるシャンパーニュ。組合員が栽培する高品質なぶどうで、この地のテロワールを最大限いかしたシャンパーニュ造りをおこないます。土壌由来のきわだつミネラル感は、酢のきいたシャリが主張する「押し寿司」と相性抜群。なかでもシャルドネ100%の《ブラン・ド・ブラン・ブリュット》は、ゆたかな酸も相まって、凛々しさを感じる一本。「焼きトロ鯖」の脂を軽やかにしつつ、力づよい鯖の旨味をひきたてます。一方、ピノ・ノワールブレンドされた《テンダー・ロゼ》は、名前のごとく、柔らかくやさしい味わい。ふっくらとした「蒸し穴子」を包み込むように調和します。

 

《ル・ブロン・ド・ヌヴィル》は2019年5月より、日本での販売がスタート。コート・ド・セザンヌシャルドネの旗振り役として、今後のさらなる活躍を期待します🍾✨

 

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ワインクーラーを活用せよ

いわずもがな、ワインクーラーはワインを冷やすためのもの。使い方次第でワインと料理、双方のおいしさが向上します。具体的には、ワインをクーラーから出し入れし、温度を調節するという使い方。わたしは普段、下記のふたつの観点から温度調節をおこないます。

 

ひとつめは「ワイン」にあわせた温度調節。例をあげると、ドイツの甘口リースリングなら低めの6-8度。甘味がひきしまり、すっきりとした味わいに整います。また、ブルゴーニュの熟成シャルドネであれば、高めの10-14度。ゆたかな芳香と芳醇な旨味をより一層堪能できるからです。

 

ふたつめが「料理」に着目した温度調節。たとえば、新鮮であっさりとした「活鯛」の鮨には、6-8度のシャンパーニュ。しっかり冷やすことで味わいがシャープとなり、淡泊な鯛の旨味が引き立ちます。対して、ねかせて旨味の増した「昆布じめ鯛」であれば、8-10度に調節。すると厚みとコクが増幅したかのように、濃厚なタネと調和します。

 

複数のシャンパーニュ、今回であれば《ボワゼル》二本を同時抜栓すると、鮨ダネに合わせてシャンパーニュを選ぶことができます。ワインクーラ―を使いこなせば、同等の楽しみ方がシャンパーニュ一本でかなうのです。鮨ダネごとの温度調節は知識と経験を要しますが、鮨の楽しみ方が一段と広がるのでぜひ、体得してくださいね。ちなみに、室温のシャンパーニュを氷水のワインクーラーにいれるとおよそ30分で5度まで冷却。クーラーから出し、1度上昇するのに約2分半。ご参考になれば幸いです🥂✨

 

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〝外〟がおいしく感じる理由

おなじ料理でも野外で食べると、その「開放感」から格段おいしく感じます。たとえばバーベキュー。たかい空、ふりそそぐ陽光、そよふく風。熱々のお肉をほおばると、おもわず、幸せの吐息がこぼれます。

 

きょうは《パイパーエドシック・ロゼ・ソヴァージュ》と《シャトー・ベレール・ラグラーヴ1978》で楽しむバーベキュー。芳醇なピノ・ノワールを使用したロゼ・シャンパーニュは、熟したベリーの甘酸っぱさがとても美味。みずみずしく、果物のように甘い「パプリカ」にとてもよく合います。一方、すばらしい熟成味をみせるボルドー1978。丸みをおびたタンニン、酸、果実味、すべてが融合しています。舌のうえを滑るようななめらかさ。このうえなくエレガント、それでいて一本芯のとおった強さを感じます。「ハラミ」の上品かつ濃厚な旨味と抜群の相性。

 

ひとは、本能的に屋内より屋外の方が身の危険を感じ、五感が鋭くなります。ゆえに、外で飲むワインは、香り味わいをいつも以上に堪能することができます。普段の食事のアペリティフ、もしくは食後の一杯を、ご自宅のベランダで楽しんでみてはいかがでしょうか🥂✨

 

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酢飯がひきたつシャンパーニュ🍾

手軽につまめる、にぎり鮨。いわば〝ファーストフード〟として世に誕生した江戸前鮨。せっかちな江戸っ子が短時間で腹を満たせるよう、現代の二、三倍の大きさで鮨が供されていました。

 

そんな元祖江戸前鮨を彷彿とさせるのが、「おにぎり鮨」。タネとシャリをおにぎり状に握ったもの。ボリュームと箸いらずの手軽さで、忙しいビジネスマンから注目を集めます。

 

一般的な鮨よりシャリが多い「おにぎり鮨」。シャンパーニュを合わせるなら、とりわけドライなシャンパーニュがおすすめ。エッジのきいた辛さは、単調になりがちなシャリを最後のひとくちまで、美味しく引き立ててくれるからです。《シャルル・ド・カザノーヴ》もその一例。白、ロゼともにきわめてドライなシャンパーニュ。サーモンピンクの《ロゼ・ブリュット》は、赤ワイン由来の渋みがとてもおだやか。芳醇な赤酢と交わるように融合し、「とろたく」の甘味とコクを際立たせます。一方、淡いイエローゴールドの《テート・ド・キュヴェ・ブリュット》。キレある酸と苦味がきわだつ極辛口。「穴子」のおにぎりも甘ったるさを感じさせず、タネとシャリの一体感ある旨みを終始、堪能することができます。

 

おにぎり鮨同様、ちらしや押し寿司も「シャリ」が主役級の存在感。その、酢・塩・砂糖の塩梅から、合わせるシャンパーニュを選定するのもひとつ。甘めのシャリには酸が際立つシャンパーニュ、酢のきいたシャリにはミネラル感あるシャンパーニュを合わせると、豊かな酢香が引き立ちます🍣🥂✨

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