シャンパーニ≪ウイユ・ド・ペルドリ≫で有名な≪ジャン・ヴェッセル≫は、業界屈指の技術力を誇ります。ウイユ・ド・ペルドリとは「山鶉(やまうずら)の目」という意。淡いサーモンピンクが山鶉の目の色に似ていることで、その名がつきました。
注目すべきは、その製造方法。ロゼ・シャンパーニュは白ワインに赤ワインを混ぜる「ブレンド法」が一般的ですが、ウイユ・ド・ペルドリは「直接圧搾法」により造られます。黒ぶどうを果皮ごと圧搾し、うっすら色付いた果汁を発酵。手間とたかい醸造・熟成技術を要するため、生産者は極わずかです。さらには、ドザージュ(補糖)をおこなわないシャンパーニュも手掛ける、ジャン・ヴェッセル。ブドウ本来の品質と、生産者の腕だけがものをいいます。
わたしがジャン・ヴェッセルに敬意をはらう最大の理由は、その真摯な〝姿勢〟。ウイユ・ド・ペルドリを「ロゼ」ではなく『白』シャンパーニュ、補糖なしを「ノン・ドザージュ」ではなく『エクストラ・ブリュット』としてリリースしている点です。「ロゼ」や「ノン・ドザージュ」のほうが稀少性がたかく、より高値の取引が期待できそうなものの、あえてそれをしない。
ジャン・ヴェッセルのシャンパーニュを飲むといつも、目先の利益を追究することよりも、志のほうがはるかに大切ということに気づかせてくれます✨✨