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土と対話する男

これまでの人生でもっとも衝撃を受けた生産者をひとりあげるのなら、アレクサンドル(シャルトーニュ・タイエ現当主)かもしれません。レ・ ウルトビーズもシュマン・ド・ランスも、わたしにとって記憶に残るシャンパーニュです。

 


 シャルトーニュ・タイエといえば、メルフィ村。メルフィ村といえば、アレクサンドルといっても過言ではありません。シャンパーニュの神様が選んだ、新進気鋭の若手醸造家です。なんといっても、アレクサンドルの特筆すべき点は、土壌と真摯に「対話」する点でしょう。対話とは、相手と向き合うこと。メルフィ村の土壌は、砂が多く、粘土・石灰が複雑に交じり合う独特な土壌です。一見扱いにくいその〝カオス〟的な土壌と区画毎に向き合い、植樹するぶどうの品種とその可能性をさぐるのが彼の懐の深い考え方です。

 


結果として、シャルトーニュ・タイエのシャンパーニュはいずれも、さわやかに際立つレモングラスのようなハーブの香りが心地よく、白亜土層やジュラ層を思わせる純度の高いミネラル感のある深い味わいになっています。〝低〟ドサージュならではの甘さを抑えたピュアでドライな味わいに加え、凝縮した果実の風味と調和の取れた美しい酸味が全体のまとまりをよくしているのです。

 


このように、それぞれの区画毎の土壌がもつ特性を自然に引き出すことに情熱を傾け、自然の摂理に極力逆らわないアレクサンドルのアプローチは、シャルトーニュ・タイエがリリースするすべてのシャンパーニュに、際立った個性と深みをもたらしています。

 


土壌と真摯に対話する男、アレクサンドルは、メルフィ村の豊かなテロワールと、シャンパーニュの新たな魅力と可能性を発信し続けています。土との対話を通じて生まれる彼の至高すぎる作品は、シャンパーニュを楽しむ人にこのメルフィ村の土壌とテロワール、そしてサステナブルなストーリーを伝えるメッセージとなっているのでしょう。

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