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私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

驚異のシャトー・ラグランジュ

品種の特性上、ブルゴーニュよりタンニンの豊富なボルドーワイン。より長期熟成に向くとされるのはこのためです。しかし経年30年をこえるオールド・ヴィンテージともなれば、熟成のピークが過ぎてしまっていることも少なくありません。そんななか、いつも並はずれた耐久性で驚かせてくれるのが《シャトー・ラグランジュ》。今回の《1988》《1985》も例外ではありません。2010年代といっても過言ではない生命力で、格付け第三級たるものの底力をみせつけます。

 

まずは《1988》。明るいレンガ色ですこし枯れ感はあるものの、経年34年とは思えない若々しいさ。グラスの壁面にはねっとりとしたしずく跡がのこり、ただならぬ凝縮感を物語ります。カシス、黒コショウ、ピーマンの青くささ。カベルネ・ソーヴィニヨン特有の香りがぎゅっと濃縮されています。潤沢なタンニンもいまだ若く、ギシギシと、粗っぽくすら感じるほど。躍動感ある力づよい旨味が口いっぱいにひろがります。メゾン自身、2021年11月のテイスティングで「2035年まで楽しめる」とコメント。まさに驚異の耐久性です。

 

対して《1985》。色調・粘性は、前者とほぼ同等で、プルーンの香りに、獣香、腐葉土といった熟成由来の芳香が重なります。1988との最大の相違点はタンニンの質。こちらも量はきわめて豊かですが、ギシギシ感はなく、丸みを帯びたなめらかさ。舌のうえを滑るように流れ込み、口中にひろがったかと思うと、味蕾(みらい)のすき間に染み入るように消えてゆくのです。力づよい旨味のなかに、品格溢れるエレガントな熟成味が垣間見れます。これだけ濃厚な両者であれば、極上のサシ入りフィレステーキに合わないはずがありません。炭火でじっくり旨味を引き出し、1988はタレで、1985はあっさりと塩・コショウいただきます。

 

ワインの耐久性は、その年のぶどうの出来に左右されます。しかし秀でた生産者のワインは、えてして長期熟成に耐えうるもの。生産者に付与されたボルドーの格付けは、オールド・ヴィンテージ抜栓の際の指標のひとつになります。第一級から第五級まで、計61シャトーがランクイン。ヴィンテージ・チャートとあわせて、ぜひご参考にしてください🏰✨

 

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