「フォアグラ」と相性の良いワインは、辛口よりも断然甘口。濃厚なフォアグラと甘美なワインが融合し、まろやかで深みのある旨味へと進化するからです。そのため辛口ワインの代表品種である「ソーヴィニヨン・ブラン」とフォアグラとの相性は、正直あまりよくありません。
ところが、《ジットン・ペール・エ・フィス》の古酒だけは例外です。本来、辛口の白ですが、ながい経年熟成でソーテルヌの甘口ワインを彷彿とさせるテイストに。とくに《サンセール・ガリノ1983》とフォアグラは、信じがたいほどに好相性です。サンセールは、ロワール地方のソーヴィニヨン・ブラン100%のワイン。フレッシュハーブとスモーキーな芳香。そしてキリッとした酸とミネラル感が冴える〝これぞ辛口〟なワイン。それがジットンの手にかかると、このうえなくエレガントで上品な、まろみある古酒に生まれ変わるのです。糖度が増したわけではないのに〝甘く〟、四十年もの歳月を経ているのに〝ピュア〟に感じるから不思議。パンチあるフォアグラの旨味、ピンクペッパーの独特の香り、そして甘辛ダレ。それらすべてを包み込むようにサポートし、フォアグラ鮨を極限にまで昇華させるのです。
フォアグラ好きにおすすめしたい組み合わせ。機会があれば、ぜひお試しくださいね🥂✨