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私の超オススメワインをご紹介します🥂🍷✨

常識を疑うことでしか、イノベーションはうまれない

炙りの定番、トロとサーモン。炙るとあぶらがとろけて、いっそう美味にいただけます。「炙り」にもちいるタネは、身が厚く、脂がよくのった成魚が一般的。ところが、わたしが知る鮨屋のなかで今夜のなじみ店のみ、“コハダ”を炙り鮨として供します。脂のりはひかえめで、身も薄いコハダは、コノシロという魚の幼魚です。

 

つんとした酢の風味と、“光もの”特有の旨味が特徴のコハダ。それが炙りによって、マイルドでやさしいテイストに変化します。通常のコハダ鮨には、バランスのよい《ポール・ダンジャン/ダンジャン・フェイ》を、炙りにはブラン・ド・ノワール《キュヴェ・ジャン・バティスト》をあわせます。

 

大将いわく、「コハダは“酢〆”が鮨業界の常識」。しかし、おなじ光もののサバには、“酢〆”もあれば“炙り”もあります。この店の看板メニューは“酢〆+炙り”のコハダ。「常識を疑うことでしか、イノベーションは生まれない」と語る大将の哲学を感じながら、こんやも至極の逸品をいただきます。

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