鮨とワイン。このふたつの融合は、ひとことでいえば〝バランスの探求〟です。とくに挑戦的なのは、カリフォルニア産のシャルドネと鮨の組み合わせ。
例として、「パナメラ・シャルドネ2019」を挙げます。このワインは、カリフォルニアのシャルドネ特有のトロピカルフルーツの香りとバニラのニュアンスが豊かで、リッチな果実味を持っています。この強烈な個性が、鮨のネタの風味やシャリの甘み、そして醤油の塩分との微妙なバランスを崩しかねません。
しかしながら、ヒラメやタイなどの白身とは異なり、鮨ダネのなかでも、大トロ、穴子、赤貝との相性は見事といえるでしょう。大トロの豊かな脂とシャルドネの果実味が絶妙に絡み合い、風味の深みを増します。穴子の甘さはシャルドネの甘みと重なり、より複雑な味わいを生み出し、赤貝のシャキシャキとした食感はシャルドネの粘度と相まって、口のなかでの舞いをより豊かにします。
ワインと鮨のマリアージュは、終わりのない探求です。鮨の具材を変えたり、シャリの味を微調整することによって、そのたびに均衡のとれたバランスを追求するのは、まさに「ワインと鮨を楽しむ」醍醐味。それはわたしにとって、新しい発見とともに、五感で楽しむひとときとなっています🍣🥂✨