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鮨+粋=江戸前鮨

「鮨」とは、もともとは魚を保存する方法として発展した日本独自の食文化です。新鮮な魚介類をシャリ(鮨に使用される酢飯)の上にのせるこのシンプルな料理は、時間とともにさまざまなスタイルに広がり、とりわけ江戸(現在の東京)で独自の発展を遂げました。


一方「粋(いき)」とは、洗練された立ち居ふるまいのこと。そんな〝かっこよさ〟は、江戸前鮨の中にも色濃く反映されています。たとえば、アジやコハダといった一見平凡にみえる魚も、「粋」な鮨職人の手にかかれば、その魅力は最大限に引き出され、芸術作品ともいえる鮨へと昇華します。


そんな江戸前鮨のなかでも特に印象的だったのが、ガリを大葉で包み、シャリ、塩のみでしめたイワシ、昆布とともに巻き上げた逸品です。この至極に合わせたのは、「ギボラ・プリスム17」というブラン・ド・ブラン。このシャンパーニュは強烈なフレッシュ感があるにもかかわらず、果実味はリッチでボリューミー。イワシを重層的に包み込み、ほのかな甘味と少し苦味のある柑橘系のさわやかな香りが鼻から抜けるような、鮮烈で心地よい体験を味わせてくれます。


江戸前鮨は、そのつくる工程一つひとつに「粋」な心遣いが込められています。シャリの一粒一粒に至るまで、最高の食感と味わいを追求し、ネタの魅力を最大限に引き出すために、職人は創意工夫を凝らします。これは、素材の本質を理解し、それを最大限に活かすという、「粋」な美意識のあらわれでしょう。


日本の食文化の中心に位置する鮨と、その背景に流れる「粋」という美意識が融合した結果が「江戸前鮨」。この方程式が示す深い文化的な意味を探りながら、イワシの鮨ダネにグラン・クリュのシャルドネのみでつくられる「ギボラ」を合わせたのも、また〝粋な楽しみ方である〟と今夜も自己陶酔にふけっています🥂✨

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