英国王室御用達のシャンパーニュメゾン《ポール・ダンジャン》。そのラインナップのひとつである《フェ・ド・シェーヌ》は、じつに個性的なブラン・ド・ブランです。ブラン・ド・ブランとは、シャルドネ100%のシャンパーニュ。エッジのきいた酸とシャルドネ特有の繊細なフィネスが特徴です。
8ヶ月間フレンチオーク樽で熟成させた《フェ・ド・シェーヌ2010》は、なかは筋金入りの強固な味わい。対して、外はとろとろの蜂蜜で覆われているようなイメージ。こんな個性的な〝シャンパーニュ〟にわたしは出会ったことがありません。しかし〝白ワイン〟としては覚えのある味。そう、このフェ・ド・シェーヌはブルゴーニュの「グランクリュ・シャブリ」を彷彿とさせるシャンパーニュ。グランクリュ・シャブリの多くは、濃厚で凝縮感ある旨味が、南国フルーツのような濃密な甘味とリッチな樽香で覆われています。
シャブリとシャンパーニュ。一見まったく別物のようですが、シャブリはシャンパーニュ地方にほど近いシャルドネの銘醸地。フェ・ド・シェーヌのようにシャルドネ100%のシャンパーニュであれば、共通する部分があっても不思議ではありません。まるで〝シャブリ〟のようなシャンパーニュ。それゆえ「帆立のグリル、青りんご添え」のような、貝の旨味とフルーツの甘みが融合した料理にあわせると、よりいっそう楽しめます🥂✨