2019-01-01から1年間の記事一覧
シャンパーニュは熟成が進むほど、甘いブランデー香が際立ち、酸もまるみを帯びて、繊細かつエレガントにテイストが変化します。そのため、ペペロンチーノの仕上げにブランデーが使われるように、にんにくとオリーブオイルのアーリオ・オーリオには、X.O.級…
〝スタキュヴェ〟と〝熟成キュヴェ〟があれば、「板ウニ」をいっそうおいしく食べることができます。〝スタキュヴェ〟とは、リリース期間中のスタンダード・キュヴェのシャンパーニュのことであり、〝熟成キュヴェ〟とはリリース終了後20年以上経過している…
鴨のコンフィをつくる際、わたしはカナール(雄)ではなく、キャネット(小鴨の雌)派。臭みがすくなく、身質がやわらかで、やさしいテイストだからです。 コンフィ・ド・キャネットには、カベルネソーヴィニヨンとメルローが半分ずつブレンドされた《オー・…
ブルゴーニュの数あるドメーヌのなかで、ここ数年、周囲も驚くほどの急成長を遂げたのが《ドメーヌ・アルロー》。 三代目シプリアン・アルローのワイン造りでは、農薬や酸化防止剤を極力ひかえ、ぶどう本来のポテンシャルを最大限に引き出すことが一番のこだ…
《アンリ・ド・ヴェルレーヌ》というシャンパーニュの特徴は、空気に触れた後の〝進化〟のはやさで、おもしろいほど味が刻々と変化することです。それゆえ、一杯で二度のおいしさを享受できる点が魅力です。 一度目のおいしさは、グラスに注いだ瞬間。抜栓直…
串カツによりそう逸品といえば、レモン。揚げたて熱々の串カツにたっぷりのレモン汁をかけてほおばる…幸せの瞬間です。 ピュアな酸味が引き立つシャンパーニュこそ、串カツとの相性が抜群に際立ちます。私のイチオシは《アンリオ・ブリュット・スーヴェラン…
鮨とシャンパーニュ(鮨シャン)。舌鼓を打つ贅沢なひとときです。いつもご紹介していますが、鮨ネタとシャンパーニュの色を合わせることを、私は〝黄金の方程式〟と呼んでいます。シャンパーニュには「白」と「ロゼ」の二種類が存在します。タイやヒラメな…
新社会人へ贈るシャンパーニュ。それはずばり《ボワゼル》です。 ボワゼルの魅力は、いつまでも続くフレッシュ感。20年越しのNV(ノン・ヴィンテージ)でも、ガス圧、味わいともに目をみはるエネルギッシュさ。抜栓のたびに驚かされます。 創業から185年間に…
口に入れた瞬間とろける〝くちどけ感〟こそ、霜ふり極上ローストビーフの最大の魅力です。さらに《ガティノワ・ブリュット》というシャンパーニュと合わせることで、とろけるような〝くちどけ感〟がよりいっそう楽しめます。 最高品質のアイ村産ピノ・ノワー…
きめ細やかな泡立ちや色合いなど、美しさを〝目〟で楽しむことができるのが、シャンパーニュの魅力のひとつです。 なかでも、とりわけ美しい淡黄色(たんこうしょく)を放つのが、ギィ・チボーという造り手の《ブリュット・グランクリュ》です。息を吞むよう…
結婚が決まった友人へのお祝いは《ティエノ・ブリュット》と決めています。きらびやかなシャイニーレッドが祝いの席をはなやかに飾ってくれるだけでなく、《ティエノ》はとりわけ〝家族の絆〟を重んじるメゾンだからです。 ティエノはクルティエ(ワイン仲買…
〝ジビエ〟と相性の良いシャンパーニュを選べば、ワインのある生活はさらに楽しくなります。ジビエとは野鳥獣の料理のこと。自然界をかけ巡り、野生の動植物を食べて育ったその身質は、筋肉質で独特の風味が特徴です。そのなかで、鶉(うずら)は柔らかくク…
食前から食後までシャンパーニュで通すことは、私の鮨の楽しみ方のひとつでもあります。20代のころはシャンパーニュは食前酒と思い込んでいましたが、シャンパーニュの奥深さを知れば知るほど、鮨との相性がとてもよいことに気づかされます。 シャンパーニ…
ヴェルズネイ村と並ぶ、ピノ・ノワールの銘醸地、アンボネイ村。チョーク層の南東向き斜面が、豊潤な果実味のなかにも、フィネスを感じる秀逸なシャンパーニュを生みだします。 このアンボネイのピノ・ノワールを十二分に堪能できるのがRM(小規模生産者)の…
〝にわとり〟のエチケットで有名な《レロカント》。造り手はバロン・アルベール。健康と環境に対する意識の非常に高いシャンパーニュメゾンとして知られています。バロン・アルベールの得意とするのは、ピノ・ムニエをベースとしたやわらかなシャンパーニュ…
特別な記念日には、心に残るワインを楽しみたいものです。今日は〝オキテ破りの一手〟をご紹介します。それは、〝ファーストラベル〟と〝セカンドラベル〟を50:50の配分で混ぜてしまうという方法です。楽しむ順番としては(1)セカンドラベル、(2)ファー…
小籠包×シャンパーニュ。これがまたよく合います。なかでも、わずか17しかないグランクリュのひとつ、ヴェルズネイ村のブラン・ド・ノワールとの相性は抜群。ブラン・ド・ノワールとは、ピノ・ノワール100%でつくられる贅沢なシャンパーニュのことですが、な…
「英国ヴィクトリア女王と、エドワード7世はこのシャンパーニュしか飲まなかった」 という逸話がのこる偉大なシャンパーニュ《ジョセフ・ペリエ/キュヴェ ロワイヤル》。当時、王室より授かった〝ロワイヤル〟の名は、いまでもエチケットに表記されています…
鮨にシャンパーニュを合わせる〝鮨シャン〟。覚えておきたいのは、鯛やヒラメ、イカなどの味の薄いネタには「NV」を、トロやうに、鰻(うなぎ)などの味の濃いネタは「ミレジメ」を合わせるという〝鮨シャン〟の不文律です。同じ造り手の「NV」と「ミレジメ…
関西風おでんの大根には〝ノン・ドゼ〟がおすすめです。〝ノン・ドゼ〟とは、ノン・ドザージュ、すなわちドザージュ(加糖)を行わないシャンパーニュのことです。辛いだけで味が単調になりがちなスパークリングワインと異なり、アヤラという造り手の〝ノン…
オイルサーディンには、熟成グレノ。このうえない相性のよさです。グレノとは、ポメリー社が、創業者であるナルソノ・グレノ氏の名を冠してつくる《グレノ グラン プレスティージュ ブリュット》のことです。このシャンパーニュは10年以上熟成させると、濃厚…
エチケットは重要です。エチケットとはワインの〝ラベル〟のことですが、村名や品種名、ヴィンテージなどの基本情報が記載されています。ときには、エチケットから造り手の想いやセンスなども読み取れることもあります。そのため、めずらしいエチケットを見…
ブルゴーニュのオー・コート・ド・ニュイ。ブルゴーニュ屈指の銘醸地です。今回は、この赤ワインの6年と22年の垂直テイスティング。16年の熟成の差異を検証します。生産者は《ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール》です。 この造り手の特徴は、繊細さのな…
クリュッグやモエ・シャンドンなど、有名なグランメゾンの多くは、ぶどう農家よりぶどうを買い取って、シャンパーニュを醸造する〝NM(ネゴシアン・マニュピュラン)〟という生産者業態です。 一方、〝RM(レコルタン・マニュピュラン)〟はぶどうの栽培から…
シャンパーニュ地方、モンターニュ・ド・ランス地区はいわずと知れたピノ・ノワールの名醸地。その自然公園内のリュード村に居を構える《カナール・デュシェーヌ》は、さくねん設立150周年をむかえた老舗メゾンです。 自社畑も所有していますが、NM(ぶどう…
シャンパーニュは食前酒。そう思っている日本人は少なくありません。しかし、シャンパーニュは食前酒だけでなく、食中酒・食後酒としても楽しめる「万能酒」です。 しかし、どんなシャンパーニュでも「万能酒」になりえるかといえば、そうではありません。す…