2019-01-01から1年間の記事一覧
ブルゴーニュといえば、白はシャルドネ、赤はピノ・ノワール種。これら単一品種のワインで、とくに重要となるのが「村」です。およそ50の村々に固有のテロワール(気候、地形、地質)があり、それがワインの個性を形づくっているからです。 コート・ド・ニュ…
現在リリース中のローランペリエNVと1980年代のローランペリエNV。並べると、後光を放つかのように壮観です。NVとはノン・ヴィンテージシャンパーニュのこと。ローランペリNVは1950年以降、およそ10回ほどの「エチケット」のデザイン変更が行われて…
テロワールはさまざまな名産品を育みます。テロワールとは、ワインの味わいの決め手となる、土壌や地形、気候、風土などぶどう畑を取り巻く環境のこと。ワインだけでなく、食材のテロワールも意識すると、マリアージュの見識をさらに深めることができます。 …
一般的には、シャンパーニュに使用されるぶどうの品種は3種類。 白ぶどうのシャルドネと黒ぶどうのピノ・ノワール、ピノ・ ムニエです。なかでも、白ぶどうだけでつくられるものは「ブラン・ド・ブラン」、黒ブドウだけでつくられるのが「ブラン・ド・ノワ…
「燻製」の香りと「シャンパーニュ」の香り。食欲をそそるのはなぜでしょうか。それは、どちらも先人の知恵と工夫がつまった香りだからです。 「燻製」の歴史は、人類が狩りをしていた時代までさかのぼります。食料の生肉(魚)を少しでも長持ちさせるために…
黒ぶどうだけでつくられた〝ブラン・ド・ノワール〟のシャンパーニュは、ピノ・ノワール100%、もしくはピノ・ノワール&ピノ・ムニエのブレンドものが99%以上をしめます。そのなかで《ロジャー・バルニエ》は〝ピノ・ムニエ100%〟のシャンパーニュを手がける…
ワインと合わせるのがむずかしい料理、それはカレーです。それゆえ、ワイン仲間が集まると、よく「カレーにはどんなワインを合わせるべきか」談義に花が咲きます。 カレーの〝引き立て役〟としてレーズンが存在感を示すように、思いのほかカレーと甘口ワイン…
白身には白シャンパーニュ、赤身にはロゼ・シャンパーニュ。 刺身とシャンパーニュのわたし流の楽しみ方です。でも1本で楽しむなら、シャルドネ、ピノ・ムニエ、ピノ・ノワールが1/3ずつバランスよくブレンドされたシャンパーニュがオススメ。シャルドネは…
世界最古のメゾンのひとつ《ツァリーヌ》。なかでも《キュヴェ・プレミアム・ブリュット》は、のどを〝通過する〟過程で、苦味が甘味に変換されるという不思議なシャンパーニュです。 それを実感できる一番の料理が、エスカルゴのオーブン焼き。《キュヴェ》…
鮨にシャブリを合わせるのは、定番中の定番。でもこれが〝熟成鮨〟となると少し事情が変わるのです。 シャブリは基本的に冷涼感と爽快感が魅力のワインです。鮨と大変よく合います。熟成鮨はというと、旨みの凝縮感が特徴で、通常のシャブリとでは反発しあっ…
牡蠣(かき)には「シャブリ」。マリアージュの定番です。シャブリのフレッシュなミネラル感とエッジのきいた酸味が、牡蠣の旨味をひき立てるからです。しかし、焼き牡蠣(やきがき)となると、話は変わります。通常のフレッシュなシャブリでは、舌の上で素…
柑橘系テイストの《ベルトラン・デレスピエール》。フルーツとの相性は抜群ですが、グラスに注ぐと、分単位で〝甘味〟から〝苦味〟へと味わいが変化することが特徴です。抜栓直後は、バリウムの発砲剤のように勢いある泡とともにはちみつレモンの芳香と、オ…
ブルゴーニュらしいピノ・ノワール(ブルピノ)とは、繊細でエレガントな果実味が特徴です。ところが、仲田浩司さんの《ルー・デュモン/ブルゴーニュ ルージュ2013》は、それとは似て非なるテイスト。土っぽさを感じさせるニュアンスで、舌の上でビブラート…
料理にシャンパーニュを合わせるとき、肉や魚といった素材だけでなく、〝タレ〟に注目するのもわたし流です。タレとは料理を引き立てるための調味料ですが、料理とおなじく、材料や製造方法によってその特徴は異なるもの。そのタレを意識することで、シャン…
ワインと料理の合わせ方のコツ。それはずばり、「特性」を合わせるということ。ブルゴーニュワインの特徴は、エレガントかつ、チャーミング。合わせる料理もエレガントでチャーミングであれば、その相性は抜群によくなる、というわけです。 ただ、ブルゴーニ…
ワインの発酵に欠かせないのは、なんといっても〝酵母〟の存在です。 酵母とは微生物のこと。その微生物がぶどう果汁に含まれる糖をエサとして食べ、アルコールと二酸化炭素を発生させます。これがいわゆるアルコール発酵で、この酵母の働きなしにワインは生…
創業わずか40年で、生産量フランス第一位となった「ニコラフィアット」。グラン・メゾンならではの、キュヴェの多さが特徴です。定番の《ブルーラベル》と《ホワイトラベル》の違いは一年ほど熟成期間が異なるだけです。《ブルーラベル》《ホワイトラベル》…
今回ご紹介するシャンパーニュは《ルアレ・デボルド/ブリュット》。ピノ・ムニエ67%とピノ・ノワール33%の黒ぶどうのみでブレンドされたブラン・ド・ノワールです。ピノ・ノワールに比べ、ピノ・ムニエという品種は、味を整える〝スパイス〟的な役割を担…
豆好きのわたしにとっては、南仏の「カスレ」は定番料理。白いんげん豆と肉の煮込み料理です。あっさりとした大手亡(おおてぼう)豆でつくることで、肉やトマトとも、よくなじみ、味わいが深まります。 「ワインの産地とおなじ郷土料理を合わせる」がマリア…
わたしが提唱する「黄金の方程式」とは、鮨ネタとワインの色を合わせるというマリアージュの方程式です。たとえば、赤身・中トロ・大トロ等の赤系鮨には赤ワインを、ホタテ・ツブ貝・ホッキ貝等の白系貝類には白ワインをといった合わせ方です。 しかしあまり…
《ポメリー/ブリュット ロワイヤル》の特筆すべき点は、マスカットのさわやかさと、高級ハチミツの上品で洗練された甘みとコクが、超絶細やかでクリーミーな泡とともに口いっぱいに広がることです。 ビシソワーズ(ポテトの冷製スープ)に合わせて《ポメリ…
ブルゴーニュ唯一の日本人醸造家、仲田晃司氏の《ルーデュモン/ブルゴーニュ・ブラン2013》。淡いイエローゴールドで、香りはほのかにアカシアの蜂蜜。テイストはとても個性的です。完成したばかりのコンクリート建造物のような冷たさ、ほこりっぽさ、シン…
キャビアには〝辛口シャンパーニュ〟がよく合うといわれています。しかし、新鮮で上質なキャビアには、熟成シャンパーニュの方が断然合うとわたしは思っています。理由は、「エクストラ・ブリュット」や「ノン・ドザージュ」などの酸がつよいシャンパーニュ…
お気に入りのRMのひとつ、«レテ・ヴォートラン/ブリュット204»。このシャンパーニュの特徴は、ごく微細な泡粒子の密度がたかく、わたしのシャンパーニュ史上五本の指に入る、リッチで芳醇な香りを放つことです。とくにウォッシュチーズや鮒(ふな)寿司を想…
格付け第3級を誇る《シャトー・カロン・セギュール》。とくに2013年前後のヴィンテージでコースを愉しむ際は、ファーストラベルを魚料理、セカンドラベルを肉料理に合わせることを推奨します。多くのシャトーものは、ファーストラベルは奥ゆきがあって複雑…
ボロニアソーセージには、《ヴーヴ エリザベス》がオススメ。このシャンパーニュは、舌に残るほどの青みと「ルッコラ」のようなピリッとした独特の苦味が特徴です。これらがアクセントになって、ソーセージの風味が広がり、より一層おいしさが引き立ちます。…
ワインビネガーとマスタードをベースに、少し甘みをきかせたフレンチドレッシングで春雨を和え、スパイシーな魚介をトッピングするのが、わたし流のヤムウンセン(春雨サラダ)。合わせたいのは、《ルイ・ジャド/シャブリ セリエ ド ラ サブリエール 2016》…
創作中華は辛口より甘口シャンパーニュのほうが合うと私は思っています。なかでもドゥミ・セックがオススメ。ドゥミ・セックとは、中甘口のシャンパーニュのことです。中華全般にみられる甘辛いコクと、ドゥミ・セックのコクとが折り重なるように融合するか…
海外のゲストをもてなすとき、わたしはご本人が人生の転機となったヴィンテージワインをふるまいます。そこでサンフランシスコ在住の彼女には、就職した記念すべき年の《マーカム・メルロー 2005》をご紹介。 ’05年のヴィンテージは14年の歳月を感じさせない…
〝ギョウシャン〟は、絶対ロゼ派。いうまでもなく〝ギョウシャン〟とは餃子にシャンパーニュを合わせることです。ニンニクやニラの代わりに、パクチーを使うのが、わたしの餃子のこだわり。肉の臭みを消して、旨みを引きだしてくれるだけでなく、独特の香草…